稲葉賀恵先生

huleで「パンとスープとネコ日和」というドラマを見ていたら、衣装協力「yoshie inaba」とクレジットされていました。
岸惠子さんが着ていたのでしょう。

 

装苑賞の審査員

稲葉賀恵先生01稲葉賀恵先生
「装苑1992年8月号」より

 

稲葉賀恵先生は、装苑賞の審査員をしていました。

私は稲葉賀恵先生に、

の合計3回、デザイン画を選んでいただきました。

私は、稲葉賀恵先生に私のデザイン画を選んでいただけるとは思っていませんでした。

なぜなら私は、「稲葉賀恵先生の作風と私の作風は全く違う」と思っていたからです。

トワル(シーチングで組み立てた仮縫い用の服)を担任の先生に見てもらったとき、

「ウエストの位置を下げた方が落ち着いて見えて、稲葉賀恵先生がデザイン画を選んだ意図に近づくと思いますよ。」

とアドバイスしてくれました。

稲葉賀恵先生がデザインする服は、とても大人っぽい雰囲気を持っていました。

実際に稲葉賀恵先生の服を着ている人は、大人の女性に見えました。

 

対談前の緊張

稲葉賀恵先生02稲葉賀恵先生
「装苑1992年10月号」より

 

稲葉賀恵先生との対談の日が近づき、私はとても緊張しました。

稲葉賀恵先生の過去の装苑賞の講評を読むと、とても厳しいことが書いてありました。

私は装苑の編集部の方に、「稲葉賀恵先生は厳しい方ですか?」と質問しました。

編集部の方は、

「稲葉賀恵先生はとても優しい方ですよ。
服をきちんと作らなかった候補者には、厳しいこともあったけど・・・・・。」

と教えてくれました。

編集部の方の言葉を聞き、私はさらに緊張してしまいました。

「果たして私の服はきちんとできているのでしょうか?」と、私の気持ちは不安でいっぱいになっていきました。

 

 稲葉賀恵先生はとても優しい方でした

稲葉賀恵先生
「装苑1993年4月号」より

 

いざ稲葉賀恵先生との対談が始まり、私にとってとても驚く出来事が起きました。

私がボディに服を着せていると、なんと稲葉賀恵先生が手伝ってくださったのです。

私がボディから服を脱がせるときも、稲葉賀恵先生は手伝ってくださいました。

稲葉賀恵先生とは3回の対談を行いましたが、稲葉賀恵先生は全ての回で手伝ってくださいました。

こんなことは、初めてでした。

私は、稲葉賀恵先生のファンになってしまいました。

稲葉賀恵先生は私の作った服を褒めてくださり、「さらに魅力的になるように」とたくさんのアドバイスをくださいました。

女性のファッションデザイナーらしい、おしゃれな女性が気になる点を教えてくださいました。

 

たくさんアドバイスをいただきました

たくさんいただいたアドバイスの中から、少し紹介しましょう。

私は装苑1993年4月号で、稲葉賀恵先生にロングコートを選んでいただきました。

私は稲葉賀恵先生に、ポケットの袋布(ポケットの袋に使われる布)についてアドバイスをいただきました。

私は袋布の手前布(服側にある袋布)に、スレキ(綿素材の薄くて丈夫な布地)を使いました。

手前布は服側にあるので、スレキを使っても気にならないと思ったからです。

しかし、このコートには裏地が付いていませんでした。

コートを裏から見ると、ポケットの袋布が見えます。

稲葉賀恵先生は、

「こういうときは、ポケットの袋布は全部表地で作るといいですよ。
おしゃれな女性がコートを着るたびに、 ポケットの袋布に使われているスレキが見えたら気分が下がるでしょう?
こういう細かいところに気を使うと、ぐっとおしゃれな服になりますよ。」

と教えてくださいました。

稲葉賀恵先生は他にも、

  • コーディネートのこと
  • 帽子のこと
  • 型紙のこと
  • 靴のこと

など、おしゃれな女性のファッションデザイナーならではのアドバイスをたくさんしてくださいました。

稲葉賀恵先生との対談は、とても素敵な時間でした。