CNNの山本耀司へのインタビュー

英語教材の中に、山本耀司へのインタビュー記事がありました。
私は英語の勉強はしたくありませんが、山本耀司へのインタビューを見るために買いました。

 

文明化された人はモノトーンを着るべきだ!

ヨウジヤマモト327 CNNインタビュー山本耀司
「CNN ENGLISH EXPRESS 2008年6月号」より

 

  • 山本耀司
    Photography : Koichi Inakoshi

最初に、雑誌の紹介をしておきます。

  • CNN ENGLISH EXPRESS 2008年6月号
    朝日出版社
    雑誌01633-06

それでは、以下に引用します。

 

マニッシュなスタイルの服を作ろうと思った理由

番組進行役/アンジャリ・ラオ

さて、あなたは今や日本の現代ファッションのまさに第一人者であり、あなたはそのファッションを世界の他の国々に大いに紹介してきました。
今のご自分の人生をどう思われますか。

山本耀司

僕はファッションショーをやるために約20・・・・・26〜27年間パリで仕事をし続けてきました。
そしてある程度は成功したと思います。
しかし同時に、まったく何も変えられなかったという思いもあります。

アンジャリ・ラオ

あなたが変えたかったこととは、どういうことだったんですか。

山本耀司

つまり、若いころ、仕事を始めたころ、女性たちは皆、お人形のような服を着ていました。
それは男性から見て魅力的あるいはセクシーに映っていたと思われる服でした。
でも僕はそれが大嫌いでした。
ですから、僕は女性向けのマニッシュなスタイルの服を作り始めたんです。
その意味では、おそらく僕は成功したといえるかもしれませんが、最近ファッションの傾向は、再びセクシー路線になっています。
ポイントはセクシーさなんです。
そして僕から見れば今のセクシーさは、ちょっとばかげています。
というのはそれが、あからさますぎるからです。
女の子たちは肌を露出させて歩いているんです。

アンジャリ・ラオ

ではあなたにとってセクシーさとはどういうことですか。

山本耀司

ミステリアスのような・・・・・僕の心を引きつけ、僕を誘惑するミステリアスな感じです。
想像力をかきたてるもの。
私たちにはとにかく想像力が必要なんです。

 

ファッション業界での自分の位置づけ

ヨウジヤマモト328 CNNインタビュー山本耀司デザインによる黒を基調とした洋服
「CNN ENGLISH EXPRESS 2008年6月号」より

 

アンジャリ・ラオ

1980年代、あなたと、長い間あなたのパートナーだった川久保玲さん、そしてまた三宅一生さんは、いわゆるこの3人による日本のファッションスタイルを形成しました。
それ以降、誰ひとり、どんなデザイナーも、あなた方3人が与えたほどの影響をもたらせないでいます。
現在の日本のファッション業界において、そのような影響がもはやないのはなぜでしょうか。

山本耀司

たぶん、時代の勢いと僕らの力がそのときうまくマッチして、相乗効果を生んだんです。
今、この時代はたぶんそういったたぐいの現象を求めていないと思うんです。
そういうことなんです。

アンジャリ・ラナ

デザインすることは、最近、ちょっと大変な仕事のように思える気がします。
というのは、その、日本の若い人たちは、こういった海外の高級ブランドを求めています。
そしてアパレル業界へ入っていく人たちは、スタイリストになる道を選び、その、若者や、お金持ちや、華やかな人たちを、さらにもっと若くて、金持ちで、華やかに見せるわけです。
あなたはなぜデザインし続けるんですか。
何があなたにそれをそんなにも愛させているんですか。

山本耀司

簡単に言うと、僕は自分が歩いてきた道を変えることができないんです。
それが1つです。
もう1つは、僕が歩き続けてきた道です。
ここで僕は、先ほど話題に出た3人組の他のデザイナーのことを言っているのではなく、僕自身だけのことを言います。
僕はファッション業界の本流で仕事をするつもりはまったくありませんでした。
僕は意識的にファッショントレンドの脇道を歩んできており、過去27年間ずっと、ファッションの本流に対し異議をはっきり唱えてきました。
なぜなら、こんにちのファッション業界では、服だけを生産し、外部の資本を取り入れることなくビジネスで成功し続けている独立したファッション企業は極端に少ないんです。
大部分のファッションメーカーは、アクセサリーやバッグや宝飾品、それも高価なものを売らなければならないんです。
服だけを売って成功している会社は、1つ、2つ、3つといったように数えられるほどしかありません。
今は服が売れない時代なんです。

 

ファッション・デザイナーになった経緯

ヨウジヤマモト329 CNNインタビューアンジャリ・ラナと山本耀司
「CNN ENGLISH EXPRESS 2008年6月号」より

 

アンジャリ・ラナ

あなたはこの業界では大御所となっています。
しかし、あなたが最初にこの仕事を始めたとき、成し遂げたかったことはどんなことだったんですか。

山本耀司

僕はファッション・デザイナーと呼ばれる職業があると言うことすら知りませんでした。
僕の母が戦争未亡人で、近所の人たちを相手にした小さな洋装店をやっていたんです。
彼女はものすごい努力をして僕を大学へやってくれました。
実を言うと、当時は服を仕立てる環境が大嫌いでした。
でも大学にいたときは、僕には未来への希望が何もなかったんです。
そして母の洋装店で働けるように頼んだんです。
彼女はもちろん、僕にとても腹を立てました。
そんなふうにして始まったんです。
そして僕はこの仕事を本当にそれを愛することなくやり続けています。

 

空手でストレス発散

アンジャリ・ラナ

あなたが楽しみのためにやっている他のことの1つに、空手がありますね。
あなたは有段者です。
もちろん、帯は黒でなければなりません。
あなたの大好きな色ですよね?
あなたにとって空手はどんな魅力があるんですか。
なぜそんなにお好きなんですか。

山本耀司

僕の世代は、終戦後のベビーブーマー世代ですが、十分な食料がありませんでした。
ですから僕らは日本人の間でさえ小柄なんです。
僕はそのことにとても腹が立っています。
最近の若者は皆、背がとても高いんです。
彼らは僕を見下ろすんです。
だから彼らが僕を見下ろしたら、彼ら全員をぶん殴ってやろうと思っています。

アンジャリ・ラナ

あなたはとても穏やかな性格のようにも見えますが。
それがまったくの誤解だとは信じられません。
空手は驚くほどのストレス解消でもあるに違いないですね。
なぜならこの業界は時々、本当にひどく腹立たしくなることがあるのは確かですから。
実に気まぐれでころころ変わる、人々や彼らの好みを相手にしなければならないんですからね。

山本耀司

ええ。ええ。
まさにおっしゃる通りです。
まさにその通りなんです。
ファッションをやるということは、互いに密接にくっついているアートとビジネスを扱うということなんです。
僕はこの会社のオーナーであり社長ですが、同時にデザイナーでもあるんです。
僕は会社で自分の時間のほとんどを、憂うつで、神経をずたずたにするような仕事に費やしています。
このことがもたらす憂うつな気分は決して晴れないんです。
例えば、お酒を飲んだり、女友達と時間を過ごしたりしても。
でも空手をやって、自分の限界まで稽古して、汗をたくさんかけばすべてを忘れることができるんです。
気分がいいと思うことは、男、男らしい男になる気がすることです。

 

アーティストとしてのビジネス哲学

アンジャリ・ラナ

ちょっとお聞かせください。
あなたは一般的にはアーティストだと思います。
しかし、その、世界中に店舗を展開していますから、当然ビジネスマンでなければならない部分もあります。
どんなビジネス哲学を持たなければならないとお考えですか。

山本耀司

最初に創作があり、ビジネスが当然その後についてきます。
それが長い間ずっと、僕が期待し続けていることであり、願ってきたことです。
僕はマーケッティングやマーケットを最初に考え、そしてその中に自分の作品を置いていくというやり方をするつもりはまったくありません。
僕は勝手に自分の服を創作し、そしてそれがマーケットを変えることになるでしょう。
それが僕が望むことなんです。

アンジャリ・ラナ

それではいつ引退されるかというお考えはありますか。

山本耀司

自分の頭と精神が引退を望んでいるとしても、僕の体は、服を見れば無意識に反応するんです。
ですから、僕の体がそのような反応する間は、引退することはないだろうと思います。

 

ファッションに関する注意事項

ヨウジヤマモト330 CNNインタビュー山本耀司
「CNN ENGLISH EXPRESS 2008年6月号」より

 

アンジャリ・ラオ

何かファッションに関する注意事項、まさに着ているところを見られるべきではないとあなたが思うものはありますか。

山本耀司

僕はあまり偉そうなことは言えません。
しかしながら、もし街で10人の人が異なる10色の服を着ているのを目にするとすれば、それは僕にとって苦痛だろうと思います。
それぞれの色が汚いかどうかは別にして、異なる色が混ざることは汚らしいです。
その意味で・・・・・そうですね、これは僕の風変わりな哲学なんですが、文明化された人はモノトーンを着るべきだと思うんです。
つまり、ファッションの最低限のエチケットなんです、他の人々の視界を乱すべきではないというのは。
目立つことがいいことであると考えるのは間違っているんです。

アンジャリ・ラオ

まあ、そんなわけですので、皆さん・・・・トップ・ファッション・デザイナーの山本耀司さんからの賢明なスタイルアドバイスでした。
「トーク・アジア」をご覧いただきありがとうございました。
アンジャリ・ラオがお伝えしました。
また近いうちにお目にかかりましょう。
さようなら。

(訳:足羽万輝子)

 

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