2016年秋冬のDMといえば、去年のものです。
最近のこと過ぎて、何を書こうか迷ってしまいます。
2016-2017年秋冬
2016-2017年秋冬コレクションの立ち上がりは、2016年7月8日(金)でした。
この写真は封筒から、中のイラストレーションが透けて見えています。
DMの内容を、以下に引用します。
思春期の叫び
ティーンエイジャーが初めて社会に訴えかけるタイミングをクローズアップ。
ダウンジャケットの上にTシャツを着たスーパーレイヤードは、少年が部屋にある服を手当たり次第に着込んだようなコミカルさを表現。
自分は前に進みたい、でも進めない、一種のもがきとも取れるバンテージのディテールは、不安と恐れ、苛立ちを表し、思春期の目覚めの合図とも言える。
女優 宮沢りえが描いた無垢な一筆書きのスケッチをエンブロイダリーで表現したコートやジャケットは、着る者に少年時代の憧憬や儚く繊細な夢を想起させる。
少年の瑞々しい感性と純真な目線で今の社会を見つめると、もっと素直になれるかもしれない。
帽子
最近ヨウジヤマモトで買っているものは、ほとんど帽子です。
帽子をかぶるようになって、楽しみが増えました。
帽子が増えると、収納が大変になります。
私は中野にある「ニシダ」という店で、帽子ケースを買っています。
こちらのニシダさんは、文化服装学院に通っている時に教えてもらいました。
装苑賞用に帽子を作るときは、ニシダさんに材料を買いに行っていました。
ニシダさんで、
- 帽体(フェルトやファーでできた帽子の元)
- 木型(1週間借ります)
を用意して帽子を作っていました。
装苑1992年12月号で中村乃武夫先生に選んでいただいた服は、8月に作りました。
帽子を作るために冷房のない四畳半の部屋で、やかんにお湯を沸かしました。
蒸気で帽体を柔らかくして、木型に入れました。
何度か繰り返して、スチームアイロンで帽体を押さえました。
汗だくになり、手のひらは真っ赤に腫れました。
昨年20年以上ぶりにニシダさんを訪れたとき、思い出が蘇ってきました。
25年前の異議申し立て
25年前にとても暑い部屋で帽子を作りながら、私はワクワクしていました。
「この服を発表したら、世の中に衝撃が走る。」と本気で思っていたからです。
事実、私の周りでは小さな衝撃が走りました。
私はティーンエイジャーでも思春期でもありませんでしたが、苛立っていました。
服をデザインして、世の中に異議申し立てしようと思っていました。
しかし社会に訴えかけるのは、ティーンエイジャーだけの専売特許ではありません。
おじさんやおじいさんだって、社会に訴えかけて良いはずです。
「自分は前に進みたい、でも進めない」と思っているのは、ティーンエイジャーだけではありません。
そういう人は、多いのではないでしょうか?
パンツ
私は今年の3月に、パンツを作りました。
このパンツの調子がとても良く、いつも履いています。
どこに行くにも履いてしまい、最近ヨウジヤマモトのパンツを履く機会が減ってしまいました。
そういうわけで、ヨウジヤマモトでパンツを買わなくなってしまいました。
むかし山本耀司は、
「僕を否定してくれる人がいない。」
と悲しそうに話していました。
「そろそろ、山本耀司を否定しようかな。」と思う今日このごろです。