ヴィクター&ロルフ

以前、「ヴィクター&ロルフ 17世紀のオランダの家」を紹介しました。
今回は、ファッションデザイナーとしてのヴィクター&ロルフを紹介します。

 

ヴィクター&ロルフ

ヴィクター&ロルフ02服:ヴィクター&ロルフ 2007年秋冬コレクション
「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」より
ISBN978-4-7661-2374-6

 

  • 「ザ・ファッション・ショー」と題された
    ヴィクター&ロルフ
    2007年秋冬のコレクション

ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)

  • 1969年 ヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)はイスラエルに生まれる(5月27日)
         ロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)はオランダに生まれる(12月19日)
  • 1992年 アーネム芸術アカデミーで知り合う
  • 1993年 フランスの国際モード&写真フェスティバルで新人デザイン賞を3部門で受賞
  • 1994年 パリを皮切りにヨーロッパでファッション・インスタレーションを開催
  • 1997年 アムステルダムのトーチ・ギャラリーでデビューコレクションを発表
  • 1998年 パリで初のオートクチュールを発表
  • 2000年 パリ プレタポルテ・コレクションにデビュー
  • 2003年 メンズコレクションをスタート
  • 2004年 香水「フラワー・ボム」を発表
  • 2005年 ミラノに初のブティックをオープン
  • 2006年 男性用の香水「アンチドート」を発表
  • 2015年 2015-16年秋冬コレクションを最後にプレタポルテラインを休止

 

芸術と衣服

ヴィクター&ロルフ03服:ヴィクター&ロルフ 2003年
「100 CONTEMPORARY FASHION DESIGNERS」より

ISBN978-3-8365-5724-5

 

  • ヴィクター&ロルフ
    PHOTOGRAPHY : VIVIANE SASSEN

    STYLING : VIKTOR HORSTING & ROLF SNOEREN
    MODEL : QUERELLE
    2003年9月

ファッションデザイナーのヴィクター&ロルフは、小さなコレクションを芸術作品としてギャラリーで展示するクチュリエとしてデビューしました。

ヴィクター&ロルフは、「服はただ使うために作られる」という既存の認識を真っ向から否定しています。

ヴィクター&ロルフの初期の作品には、

  • 個人のために作られた服
  • 着心地の良さや使い勝手を考慮した服

はひとつもありませんでした。

ヴィクター&ロルフは服のアイディアを、ファッションを媒体とした芸術としてとらえます。

 

ヴィクター&ロルフのブランディング

ヴィクター&ロルフ04服:ヴィクター&ロルフ 2005年
「100 CONTEMPORARY FASHION DESIGNERS」より

 

  • ヴィクター&ロルフ
    PHOTOGRAPHY : ANETTE AURELL

    STYLING : ANNETT MONHEIM
    MODEL : PAT CLEVELAND
    2005年3月

ヴィクター&ロルフは、ブランディングが成功の鍵であることをよく理解しています。

ヴィクター&ロルフは注目が高まっている芸術市場を利用して、自分たちのポジションを確立してきました。

ヴィクター&ロルフの芸術分野での活動は、

  • コレクションのテーマ
  • パフォーマンス・アート

にとって極めて重要なインスピレーション源になっています。

 

ヴィクター&ロルフのメッセージ

ヴィクター&ロルフ05服:ヴィクター&ロルフ 2001年
「100 CONTEMPORARY FASHION DESIGNERS」より

 

  • ヴィクター&ロルフ
    PHOTOGRAPHY : RICHARD BURBRIDGE

    FASHION DIRECTOR : EDWARD ENNINFUL
    MODEL : STELLA TENNANT
    2001年3月

ヴィクター&ロルフにとって、ファッションは自意識の表現行為です。

ヴィクター&ロルフは、次のように語っています。

なにが「必要」とされているかではなく、自分たちがなにをしたいか、発言したいかが問題だ。
だから自分たちが伝えたいメッセージに関係があるかどうかを見出そうとつとめるのだ。
わたしたちの作品の根幹ではつねに、選択した媒体に対する複数の疑念に緊張が走っている一方で、価値あるものをつくりたいという美しく意味のある希望が他方に存在している。
それと同時に、ファッションという制度そのもの(そして、その制度に包摂される自分たちの存在)に感じている疑問も消えたことはない。

わたしたちにとってのファッションは初めから、ファッション産業のシステムと魅力があってこそのもの。
日常の現実から逃れるための、ナイーブな行為なのだ。

「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」p178-180より引用

 

ファッション業界のアウトサイダー

ヴィクター&ロルフ06服:ヴィクター&ロルフ 2007年
「100 CONTEMPORARY FASHION DESIGNERS」より

 

  • ヴィクター&ロルフ
    PHOTOGRAPHY : DANIEL JACKSON

    STYLING : ALASTAIR MCKIMM
    MODEL : HAN
    2007年5月

ヴィクター&ロルフは、外側からファッション業界をのぞくアウトサイダーです。

同時に内側から外側をのぞむ、意欲的なファッションデザイナーです。

ヴィクター&ロルフは、ブランディングによってアウトサイダーとしての存在感を高めてきました。

ファッションに対する、ヴィクター&ロルフの言葉があります。

ファッションには、創造性を表現するさまざまな方法が使える広範な媒体として取り組みたい。
わたしたちが創造したブランドは、その取りくみの結果なのだ。

「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」p181より引用

 

まとめ

ヴィクター&ロルフ07服:ヴィクター&ロルフ 2007年
「100 CONTEMPORARY FASHION DESIGNERS」より

 

  • ヴィクター&ロルフ
    PHOTOGRAPHY : HORST DIEKGERDES

    STYLING : MARIE CHAIX
    MODEL : GEIDRE
    2007年2月

過去に遡ってヴィクター&ロルフに似たファッションデザイナーを探してみると、エルザ・スキャパレリでしょうか。

エルザ・スキャパレリよりもさらに21世紀的な思考をしているのが、ヴィクター&ロルフのようです。

ヴィクター&ロルフは、自分たちのやりたいことを緻密なブランディングで実現しました。

私も、ヴィクター&ロルフを見習いたいと思いました。

 

ヴィクター&ロルフについては、以下も参考にしてください。