柳宗理がデザインした道具

柳宗理がデザインした調理器具は、使って古くなっても美しさを保ってくれます。
柳宗理がデザインした道具と、柳宗理のデザインに対する考えを見ていきましよう。

 

柳宗理

柳宗理02 トングステンレストング(穴あき)

 

柳宗理

  • 1915年 東京市原宿に生まれる(6月29日)
  • 1934年 東京美術学校洋画科入学(38年卒業)
  • 1940年 (社)日本輸出工芸連合会嘱託となる
         シャルロット・ペリアンの日本視察に同行
  • 1942年 坂倉準三建築研究所研究員となる
  • 1945年 坂倉準三建築研究所を退職
  • 1950年 柳インダストリアルデザイン研究所開設
  • 1952年 (財)柳工業デザイン研究会を設立
  • 1953年 女子美術大学講師に就任(67年辞任)
  • 1954年 国際デザイン協会会員となる(80年脱会)
         日本民藝館でヴァルター・グロピウスに会う
  • 1955年 金沢美術工芸大学産業美術科学工業デザイン専攻教授に就任
  • 1957年 第11回ミラノ・トリエンナーレに招待出品
         インダストリアルデザイン金賞受賞
  • 1958年 バタフライ・スツールが、
         MoMAのパーマネントコレクションに選定
  • 1960年 セロファンテープカッターが、
         MoMAのパーマネントコレクションに選定
  • 1966年 国際デザイン会議(フィンランド・イパスキラ)に日本代表として出席
         バタフライ・スツールが、
         アムステルダム市立美術館のパーマネントコレクションに選定

         バタフライ・スツールがGマークに選定
  • 1968年 バタフライ・スツールが、
         ルーヴル美術館のパーマネントコレクションに選定
  • 1977年 日本民藝館館長に就任
  • 1978年 ローマ・アカデミー・ティベリーナの称号を受ける
         日本民藝協会会長に就任
  • 1981年 紫綬褒章受章
         フィンランド・デザイナー協会名誉会員となる
  • 1986年 バタフライ・スツールが、
         NYメトロポリタン美術館のパーマネントコレクションに選定
  • 1992年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部非常勤講師に就任
         国井喜太郎産業工芸賞受賞
  • 1994年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部客員教授に就任
  • 1997年 金沢美術工芸大学特別客員教授となる
  • 2002年 文化功労者に選ばれる
  • 2003年 「柳宗理 エッセイ」出版
  • 2011年 死去(12月25日)

 

「デザインと人」

柳宗理03 ミルクパンミルクパン ふた付き ミラー 16cm

 

「デザインと人」という、本があります。

佐山一郎が、25人のデザイナーにインタビューした本です。

この本のなかに、柳宗理へのインタビューが収められています。

柳宗理の発言がとてもかっこいいので、一部紹介します。

デザインと人

  • 著者:佐山一郎
  • 発売:株式会社中央公論社
  • 2007年7月23日 初版印刷
  • ISBN978-4-12-390166-6

柳宗理へのインタビューは、1998年4月22日に行われました。

 

役人、官僚主義に対してあなたは一貫して批判的ですね

柳宗理04 フライパン鉄フライパン 22cm

 

「デザインと人」より引用します。

佐山一郎

役人、官僚主義に対してあなたは一貫して批判的ですね。

柳宗理

ひどいものね、やっぱり。ときたま例外的な人がいますけど、百人に一人だね。
そういう人に当たらなくて困るんだよ、大体変なやつに当たる。
道路公団で橋をやるときも三年に一度ぐらいで担当が交代になって、変なのが来て駄目になることがある。
けしからん役人が多いね。

「デザインと人」p19〜20より引用

 

少量生産では価格が上がりませんか

柳宗理01 御猪口清酒グラス (小)

 

佐山一郎

少量生産では価格が上がりませんか。

柳宗理

最低でも千以上じゃないと作ってもらえないです。
でも、全国の酒屋の親父さんたちとこしらえた清酒グラスなんかは大量生産ですから安いんです。
一個三百円ぐらいです。
難しいオートメーションを前提にして大量に作ったから安い。
僕も一番気に入っている。

「デザインと人」p22より引用

 

上等な生活が目標じゃないんです

柳宗理05 ボウルステンレスボール 27cm

 

柳宗理

(略)
僕の場合は、とくにコルビュジエの協力者のシャルロット・ペリアンとデザイン思想が非常に近いということが出発点だった。
上等な生活が目標じゃないんです。
貴族的趣味で尊大なアリストクラシー(官僚主義)じゃ駄目なのです。
庶民が本当に使うものを、生活を中心としてデザインしていくことが大切だったんです。

「デザインと人」p24より引用

 

まとめ

柳宗理の発言と、柳宗理のデザインは一貫しています。

本当に、すごいことです。

柳宗理は、こうも言っています。

柳宗理

役人からたびたび言われましたよ、
「柳さんは何もしてくれない」と。
曲がったことをしないからね、僕は。
ご馳走もしない。

「デザインと人」p21より引用

私の家にある柳宗理がデザインした道具は、決して価格が高いものではありません。

そして、貴族的趣味を満たすものでもありません。

柳宗理がデザインした道具は、毎日火にかけられ毎日洗われています。

そして、どんどん古くなっていきます。

柳宗理がデザインした道具は、古くなりながらも美しさを保ち続けています。