S字型シルエットのコルセット

S字型シルエットをつくるコルセットは、どの時代のコルセットよりも体を歪め動きを妨げるものでした。
この時代のコルセットと、コルセットの広告を見てみましょう。

 

アール・ヌーヴォー・スタイル

S字型コルセット02コルセット、シュミーズ、ドロワーズ 1900年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • コルセット、シュミーズ、ドロワーズ
    1900年ころ
    レーベル:VELVET GRIP
    黒の綿ブロケード
    小花模様
    上端に絹リボンを通した綿レース飾り
    前に2本のガーター付き
    シュミーズ、ドロワーズは白い麻
    前中心に長いスティール・バスク
    全体に硬いボーンが挿入されている
    胸囲:76cm
    胴囲:52cm

アール・ヌーヴォー・スタイルは、側面から見るとS 字型のシルエットをしています。

このシルエットを、S字型シルエットと言います。

S 字型シルエットの特徴は、

  1. 前方に突き出す豊かな胸
  2. 後方に張り出す腰
  3. 極端に細いウエスト

の3点です。

不自然なS字型シルエットのドレスに、コルセットを使って身体を沿わせました。

 

S字型シルエットのコルセット

S字型コルセット03コルセット、シュミーズ、ドロワーズを着けた女性 1900年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • コルセット、シュミーズ、ドロワーズを着けた女性
    1900年ころ

S字型シルエットは、本当に不自然なシルエットです。

ウエストから、折れそうにも見えます。

美しさを通り越して、怖さすら感じてしまいます。

コルセットの着用が無くなる直前の、あがきのようにも見えます。

 

コルセットの広告

S字型コルセット04R & G Corsets 1902年
「20TH CENTYRY Fashion」より
ISBN978-3-8365-2279-3

 

  • R & G Corsets
    1902年

このころ下着メーカによるコルセットの開発は、頂点に達しました。

コルセットの広告も、たくさん残っています。

R & G Corsetsというメーカーの、広告です。

R & G Corsetsは、アメリカ合衆国の

  1. コネチカット州ノーウォーク
  2. ニュージャージー州ジャージーシティ
  3. ブルックリン

に工場があったようです。

 

アール・ヌーヴォーの広告

S字型コルセット05Royal Worcester Corsets 1902年
「20TH CENTYRY Fashion」より

 

  • Royal Worcester Corsets
    1902年

アール・ヌーヴォーでは、

  • 樹木
  • 昆虫
  • 動物

などのモチーフがよく用いられました。

Royal Worcester Corsetsの広告では、蝶をモチーフにしています。

アール・ヌーヴォー的な、広告です。

Royal Worcester Corsetsは、1861年にアメリカ合衆国のマサチューセッツ州ウスターに設立されました。

1917年には、1500人の従業員がいました。

 

コルセットの値段

S字型コルセット07Redfern Corsets 1909年
「20TH CENTYRY Fashion」より

 

  • Redfern Corsets
    1909年

Redfern Corsetsの広告には、コルセットの値段が書いてあります。

$3.00 to $15.00 per pair

The Standard of Corset Fashion

The Foundation of a Perfect-Fitting Gown

Security Rubber Button Hose Supporters
Attached to all
Redfern Whalebone Corsets

Sold at all High-Class Shops

 

まとめ

S字型コルセット06コルセット 1907年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • コルセット
    1907年ころ
    小花柄の黒い綿ジャガード
    上端に絹リボンを通した絹レース飾り
    前に2本のガーター付き

1906年にポール・ポワレが、コルセットを使用しないドレスを発表しました。

1907年にはマドレーヌ・ヴィオネが、コルセットを外したコレクションを発表しました。

第一次世界大戦後には、コルセットを着用しない服装が浸透しました。

女性は、物理的なコルセットから解放されました。

しかし、未だにコルセットは存在しているように見えます。

精神的な、コルセットです。

理想的な体型への強迫観念から、ダイエットや整形手術などが行われます。

本当の意味で、コルセットが無くなる日は来るのでしょうか?

 

同時代の記事は、以下も参考にしてください。