ロマンティック・スタイルについて調べました

私の認識ではロマンティック・スタイルは、他のスタイルに比べてマイナーな存在です。
それではロマンティック・スタイルについて、見ていきましょう。

 

ロマンティック・スタイル(1820-1840年ころ)

ロマンティック・スタイル02コルセット、シュミーズ、ドロワース 1820年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より
ISBN978-4-88783-282-4

 

  • コルセット、シュミーズ、ドロワース
    コルセットは白い綿サテンにキルティング
    柔らかいバスクとボーン入り
    バスト約80cm、ウエスト約49cm
    シュミーズとドロワースは白の麻

1820年代半ばにはウエストラインが降下して、通常の場所に戻りました。

同時に、ウエストの細さが重要となりました。

そしてコルセットが、再び必需品となりました。

逆にスカートはふくらんで、

  • 釣鐘(つりがね)形
  • 花冠(かかん)形

になりました。

スカート丈は、1830年代にくるぶしが見えるまで短くなりました。

足元の装いとして、凝ったデザインの靴下が登場しました。

 

ジゴ袖

ロマンティック・スタイル03ドレス 1830-33年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • ドレス
    上腕部が極端にふくらんだジゴ袖の典型
    袖のふくらみは、スリープ・パッドによって支えられた

 ロマンティック・スタイルのドレスは、特に袖が特徴的でした。

肩から袖口までが大きくふくらむ、ジゴ袖が大流行しました。
(ジゴ袖とは、「羊の脚」の語の略)
(英語でも同義で、レッグ・オブ・マトン袖)

この袖のふくらみは、1835年頃に最大で極端な形となりました。

ジゴ袖は、1890年代にも流行します。

 

スリーブ・パッド

ロマンティック・スタイル04 スリーブ・パットコルセット、シュミーズ、ペティコート、スリーブ・パッド
1830年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • コルセット、シュミーズ、ペティコート、スリーブ・パッド
    コルセットは、白い綿サテンに刺繍とコード・キルティング
    ストラップ付き
    前中心に木製のバスク入り
    シュミーズは白の綿
    ペティコートは白の麻
    スリーブ・パッドは白の綿チンツにダウン入り

スリーブ・パッドは、チンツとダウンでできています。

現在の、ダウン・ジャケットの原型のように思えます。

 

ロマンティック・スタイルのアクセサリー

ロマンティック・スタイル05デイ・ドレス 1835年ころ
ボンネット 1825-35年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • デイ・ドレス
    この時代ドレスには、袖の装飾やスカートのふくらみを美しく出すために張りのある軽やかな素材が好まれた
    絹平織地や薄手のダマスクが多く見られる
  • ボンネット(フランスの帽子の種類)
    ストロー製
    前時代に引き続きブリムの広いボンネットが被られた
    高く結う髪型の流行に合わせ、さらに大型化した

ロマンティック・スタイルのドレスは、胸元のデコルテの開きが非常に大きくなりました。

昼の服ではデコルテを控えめに見せるために、

  1. フィシュー
  2. ケープ
  3. バーサ
  4. ショール風の上衣

が多用されました。

大きな袖とバランスをとるように、髪型や帽子も大型化しました。

帽子には、

  1. 羽根
  2. 造花
  3. 宝石

など、華やかな装飾が施されました。

 

プリント技術

ロマンティック・スタイル06デイ・ドレス 1835年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • デイ・ドレス
    インドから輸入され貴重品であった更紗(さらさ)
    このころにはフランスやイギリスで機械織、ローラープリントによって大量に作られるようになり、流行した

プリントの技術が、この年代に飛躍的に発展しました。

ドレスの生地は、プリントによる小花や幾何学文様などが多く見られます。

 

芸術の潮流「ロマン主義」

ロマンティック・スタイル16デイ・ドレス 1838年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • デイ・ドレス
    アメリカ
    赤い絹とウールの交織のゴーズ

    絹サテンのパイピング
    身頃と袖にくるみ釦
    レッグ・オブ・マトン袖
    袖山にプリーツ、段飾り、ブロンド・レースの挟み込み

ロマンティック・スタイルは、芸術の潮流「ロマン主義」の影響を大きく受けていました。

ロマン主義は幻想や理想を追求し、歴史や異国趣味に傾倒していました。

ロマン主義における理想の女性像は、弱々しく憂愁に悩む姿でした。

健康的な活発さは下品とされ、青白い顔色が好まれました。

ロマン主義の主な芸術家には、

  • 文学
    ジョージ・ゴードン・バイロン
    ヴィクトル・ユーゴー
  • 絵画
    ウジェーヌ・ドラクロワ
    テオドール・ジェリコー
  • 音楽
    ロベルト・シューマン
    フレデリック・ショパン

がいます。

 

ロマンティック・スタイル(1820-1840年ころ)の出来事

  • 1824年 フランス、シャルル10世即位
        (1830年まで)
  • 1830年 フランス、七月革命
         ルイ・フィリップ即位
        (1848年まで)
  • 1831年  ベルギー、ネーデルランド連合より独立
  • 1832年 イギリス、第1回選挙法改正
  • 1833年 イギリス、工場法制定
  • 1834年 ペロ(仏)、ペロチーヌ捺染機発明
        多色銅版プリントが容易となる
  • 1837年 イギリス、ヴィクトリア女王即位
        (1901年まで)
  • 1840年 アヘン戦争
        (1842年まで)

参考文献は、

  • 「FASHION 18世紀から現代まで」ISBN978-4-88783-282-4
  • 「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」

です。

スタイルの年代区分は、「西洋服装史Ⅱ」に準じています。

も参考にしてください。

ヨーロッパのファッション・スタイルは、以下も参考にしてください。

 

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