ロココ・スタイルの男性服

ロココ・スタイルについて、いろいろ調べてきました。
ロココ・スタイルの男性服についても知りたくなったので、調べてみました。

 

アビ・ア・ラ・フランセーズ

ロココ・スタイルの男性服02アビ・ア・ラ・フランセーズ 1780年代
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • アビ・ア・ラ・フランセーズ
    1780年代

17世紀の男性服は、豪華で突飛なデザインで際立っていました。

18世紀になると男性服の奔放さは影をひそめ、洗練されたものになっていきました。

18世紀の男性服を代表するのが、アビ・ア・ラ・フランセーズです。

アビ・ア・ラ・フランセーズは、

  1. アビ(コート)
  2. ジレ(ウエストコート)
  3. キュロット(ブリーチズ)

で構成されていました。

これに

  1. 袖口飾りが付いた麻か綿の白いシャツ
  2. ジャボ(襞のついた胸の飾り)
    クラヴァット(ネクタイの祖形)
  3. 膝丈の絹靴下

などを合わせました。

 

アビ(コート)

ロココ・スタイルの男性服03アビ・ア・ラ・フランセーズ 1770-80年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • アビ・ア・ラ・フランセーズ
    1770-80年ころ
    フランス
    アビ、ジレ、キュロットの三つ揃い
    ペール・ブルーの縞柄の絹タフタ
    花柄を織りだした縁飾り
    スリーブ・ラッフルはニードル・ポイント・レース

17世紀のジュストコールはジャケットの一種で、アビと呼ばれるようになりました。

18世紀前半には幅広で肘まで届いていたアビのカフは、袖に合わせて細く小さくなりました。

大きく広がる裾は、たっぷりとたたまれていたプリーツが減りました。

アビは次第に体にフィットして、全体に軽やかに細身になりました。

 

ジレ(ウエストコート)

ロココ・スタイルの男性服04ジレ 1760-70年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • ジレ
    1760-70年ころ

ジレは、初期はアビと同じ丈でした。

ジレの丈は、次第に短くなりました。

前裾はアビと共に、両脇に流れるような斜めのカット(カッタウエイ)になりました。

上着の前を開け華やかなジレを見せる着こなしが、おしゃれだとされていました。

 

キュロット(ブリーチズ)

ロココ・スタイルの男性服05アビ・ア・ラ・フランセーズ 1740年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • アビ・ア・ラ・フランセーズ
    1740年ころ
    イギリス
    えんじ色のウールの三つ揃い
    アビとジレは金糸ブレードと金糸を巻いたボタンの装飾
    ジレは袖付き
    スリープ・ラッフルはバンシュ・レース

華麗な刺繍は、キュロットの裾やボタンにいたるまで施されていました。

ひきしまったふくらはぎが、男性の美しさの基準でした。

 

刺繍

ロココ・スタイルの男性服06アビ・ア・ラ・フランセーズ 1770年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • アビ・ア・ラ・フランセーズ
    1770年ころ
    フランス
    アビ、ジレ、キュロットの三つ揃い
    アビとキュロットは青い絹サテン
    ジレは白い絹タフタ
    ボーヴェ刺繍
    くるみボタン

18世紀、刺繍は紳士服にその美しさを発揮しました。

特にアビとジレは、

  • 金・銀糸
  • 多彩な絹糸
  • シークイン
  • 模造宝石

などで刺繍されました。

当時のパリには、刺繍工房が数多く存在していました。

あらかじめ型紙にそって刺繍された、アビやジレ用の布地が売られていました。

注文主が好みの布地を購入し、その後、裁断、縫製されて仕立てられました。

華麗な刺繍の名残りは、現在でもアカデミー・フランセーズ会員の正装に見ることができます。

 

狩猟用のジャケット

ロココ・スタイルの男性服07狩猟用のジャケット 18世紀中ごろ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 狩猟用のジャケット
    18世紀中ごろ
    フランス
    ベージュのシャモアの皮革
    左のボタン:チェック柄の金属ボタン
    右のボタン:20世紀に交換

このジャケットは、W前になります。

 

ロココ・スタイルの最期

ロココ・スタイルの男性服08メンズ・スーツ 1790年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • メンズ・スーツ
    1790年ころ
    フランス
    アビはブルー、グリーンなどの絹タフタとサテンの縞柄
    折り返し付きの立ち衿
    カッタウェイの前裾
    ジレは青の絹ファイユに草花柄と風景画の刺繍
    ウイング・カラー

1780年代に入るとアングロマニー(イギリス趣味)を受けて、縞柄が流行しました。

ジレの丈は非常に短く、裾が水平になりました。

またジレには、折り返し衿が付くようになりました。

19世紀前半まで男性の服装は、やや地味になりました。

そんな中でも、ジレには派手で華やかな刺繍が施されました。

18世紀後半には、イギリスのフロック・コートを模したフラックが登場しました。

フラックは折り返し衿付きで、通常は無地のジャケットでした。

フラックは革命後、キュロットに代わったパンタロン(長ズボン)とともに19世紀以降の衣服として定着していきます。

ロココ・スタイルについては、

も参考にしてください。

参考文献は、

  • FASHION 18世紀から現代まで
    ISBN978-4-88783-282-4
  • 文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード

です。

 

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