ロココ・スタイルのドレス9選

ロココ・スタイルのドレスを見ていたら、いろいろな種類のドレスがあることに気づきました。
今回はロココ・スタイルの、代表的なドレスを紹介します。

 

ローブ・ア・ラ・フランセーズ

ロココ・スタイル10 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • 1:ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    1760年ころ(素材は1750年ころ)
    フランス
    オレンジの植物模様のリヨン製絹ブロケード

    共布の縁飾り、二段のパゴダ型袖
    共布のストマッカー(ピエス・デストマ)とペティコート(ジュップ)

このドレスはローブ・ア・ラ・フランセーズと呼ばれる、典型的なロココの女性服です。

  1. ローブ(ガウン)
  2. 現在のスカートにあたるジュップ(ペティコート)
  3. 三角形のパネル状のピエス・デストマ(ストマッカー)

から成っています。

ガウンは前あきで、背中に大きな襞(ひだ)がたたまれていました。

ローブ・ア・ラ・フランセーズは、1789年のフランス革命によって衣服が大変革を迎えるまで正装用として着用されました。

この時代の衣装には、フランスのリヨン製の贅沢な絹織物が使われました。

ドレス自体がすでに装飾的な織柄で作られた上に、

  1. レース
  2. リボン
  3. 造花

などの装飾が、過剰とも思えるほど付加されました。

 

ローブ・ア・ラ・フランセーズのカジュアルな着装

ロココ・スタイル11 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1770年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 2:ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    1770年代
    フランス
    白地にブルーの植物柄プリントの艶出しされた平織リネン

    前身頃は釦留めのコンペール形式
    共布のペティコート

ガウンの前身頃が、釦留めのコンペール形式になっています。

コンペール形式では、着装に手間のかかるストマッカーを必要としませんでした。

18世紀後半、宮廷服を除いて衣服は簡素化へ向かいました。

女性服は堅苦しさのない機能的な方向へと進み、カジュアルな着装が広がりました。

 

ローブ・ア・ラ・フランセーズの装飾の極み

ロココ・スタイル12 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1770年代後半
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 3:ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    1770年代後半(素材は1750-60年代)
    フランス
    アイボリーにピンクの縞柄のリヨン製絹ブロケード
    シュニール糸の縫取織による花束と花づな柄
    共布のサボ型袖
    絹ネット・レースとシュニール糸による立体的な花飾りによる縁飾り
    共布のストマッカーとペティコート

ロココの衣服には、

  1. フラウンス
  2. フライ・フリンジ
  3. 造花
  4. リボン
  5. シュニール

などの、装飾が欠かせませんでした。

ピンクと白の経縞を地模様として、リズミカルな花づな模様のカルトゥーシュの中に花束が多彩に織りだされています。

それをレースと共に飾られた、繊細な縁飾り(パスマントリー)が飾っています。

フランスでは1653年に、パスマントリー組合が結成されました。

専門の職人たちによって、さまざまな装飾が生み出されました。

 

ローブ・ア・ラングレース

ロココ・スタイル13ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) 1785年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 4:左のドレス(ローブ・ア・ラングレーズ)
    1785年ころ(素材は18世紀中頃)
    イギリス
    白地に手描きのチャイナ・シルク
    背中央にボーン入り
    前身頃はコンペール形式
    共布のペティコート
    ケープはブルーの絹タフタにプリーツとフリンジ飾り
  • 5:右のドレス(ローブ・ア・ラングレーズ)
    1785年ころ
    製作国不詳
    ピンクの縞柄の絹タフタ
    前身頃はコンペール形式
    背中央にボーン入り
    ペティコートは手描きのチャイナ・シルク
    ショールはモスリンに白糸刺繍

1770年代になると、宮廷以外での衣服は簡素化しました。

女性服は、機能的な方向へと進みました。

ドレスの背中の襞(ひだ)は、ウエストまで縫いとめられるようになりました。

これらのドレスは、ローブ・ア・ラングレーズと呼ばれました。

ローブ・ア・ラングレーズは、

  1. 前身頃が閉じ合ったローブ
  2. ジュップ(ペティコート)

で構成されました。

 

ルトゥルーセ・ダン・レ・ポッシュ

ロココ・スタイル14 ルトゥルーセ・ダン・レ・ポッシュドレス(ルトゥルーセ・ダン・レ・ポッシュ) 1780年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 6:ドレス(ルトゥルーセ・ダン・レ・ポッシュ)
    1780年ころ
    フランス
    モワレ柄の赤い絹ファイユと白い絹平織のペキン縞
    共布とフライ・フリンジの縁飾り
    共布のペティコート(ジュップ)
    フィシューは木綿にドロン・ワーク
    レターケースは絹タフタに花柄刺繍、ブレードの縁飾り
    靴はサテンのハイ・ヒール

イギリス趣味の流行は、衣服の簡素化に拍車をかけました。

田園の散歩や戸外での憩いのための、動きやすさを重視した着こなしが流行しました。

その一つが、ルトゥルーセ・ダン・レ・ポッシュと呼ばれた着装方法です。

ガウンの裾を、両サイドのスリットから引き出します。

そして、後ろ腰にたっぷりと襞(ひだ)を寄せてからげます。

もともとは動きやすさを重視した庶民の服から生まれた、実用のための工夫でした。

やがて、ローブ・ア・ラ・ポロネーズの流行に変わります。

 

ローブ・ア・ラ・ボロネーズ

ロココ・スタイル15ドレス
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 7:左のドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ)
    1780年ころ
    フランス
    ローブは東洋風モチーフを織り出したグリーンの絹タフタ
    背に5本のボーン入り
    前身頃はコンペール形式
    絹ゴースとタフタの縁飾り
    ジュップは絹サテンにキルティングのイギリス製
  • 8:中央のドレス(ローブ・ア・ラングレーズ)
    1780年ころ
    イギリス
    ブルーと白の花と縞柄のスピタルフィールド製絹ダマスク
    サボ型袖
    前身頃はコンペール形式
    ジュップは絹サテンのキルティング
    フィシュー、エプロンはモスリンに白糸刺繍
  • 9:右のドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ)
    1780年ころ
    フランス
    ピンクと白の縞柄の綿ブロケードに、花柄のジュイ・プリント
    シャーリングの幅広い縁飾り
    共布のジュップ
    ケープは麻にプリーツの縁飾り
    フード付き

ローブ・ア・ラ・ポロネーズは、1770年代に登場しました。

後ろ腰を釦と紐で持ち上げた、三つの襞(ひだ)が特徴です。

ローブ・ア・ラ・ポロネーズは、「ポーランド風」ローブの意味です。

宮廷以外の衣服は、簡素化しました。

しかし髪型は、大型化していきます。

奇想な人工美の象徴的な髪型と、簡素化した衣服のコントラストが面白いです。

時代の終わりを、物語っているようにも見えます。

 

以上、ロココ・スタイルのドレスを見てきました。

も、参考にしてください。