ロココ・スタイルについて調べてみました

「西洋服装史Ⅱ」を見た後、それぞれのスタイルについて調べてみたいと思いました。
1回目は、ロココ・スタイルについて調べます。

 

ロココ・スタイル(1730-1790年ころ)

ロココ・スタイル03 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
1760年代中期

「FASHION 18世紀から現代まで」より
ISBN978-4-88783-282-4

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    イギリス

    ピンクの絹サテン
    共布の縁飾り
    3段のパゴタ袖
    共布のピエス・デストマとジュップ(スカート)

1715年にフランスで、ルイ15世が即位しました。

すると17世紀の厳粛な文化に代り、後にロココと呼ばれる軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)な宮廷文化が開花しました。

ロココ文化は、私的な生活を享受しました。

そして衣服を、芸術にまで高めました。

18世紀以降フランスは、女性の服飾流行を牽引しました。

フランスは、世界のファッションリーダーとしての地位を不動のものとして確立しました。

やがてロココ文化は爛熟期(らんじゅくき)を経て、退廃へと向かいました。

ロココ・スタイルの後半には服飾の流行は、

  1. 奇想の人工美
  2. 自然への憧憬

の二極化が起こりました。

1789年に起こったフランス革命は、宮廷社会から市民社会へと代わるきっかけになりました。

服飾の流行は装飾的なロココの衣服から、合理的な新古典主義の衣服へと変化を遂げます。

 

ローブ・ア・ラ・フランセーズ

ロココ・スタイル04 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
1765年ころ

「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    フランス

    水色に花柄を閉じ込めたカルトゥーシュ・モチーフのリヨン製絹シネ
    立体的にふくらませた共布の縁飾り
    2段のパゴタ袖
    共布のピエス・デストマとジュップ(スカート)
    アンガジャント(装飾的なカフス)はアランソン・レース
    ラペット、ボンネットはアルジャンタン・レース

ローブ・ア・ラ・フランセーズは、ロココ・スタイルの典型的な女性服です。

フランス革命期まで、正装として着用されました。

ローブ・ア・ラ・フランセーズは、

  1. ローブ
  2. 現在のスカートにあたるジュップ(ペテイコート)
  3. ピエス・デストマ
    ローブが前あきの場合に着装のたびに胸部に留め付けられる三角形のパネル

で構成されていました。

これらは、

  1. コルセット
  2. パニエ

という、身体を造形する下着の上に着装されました。

この構成は、フランス革命期まで変化しませんでした。

時代に応じて変化したのは、細部(ディテイル)や装飾でした。

 

 ピエス・デストマ

ロココ・スタイル05 ピエス・デストマピエス・デストマのアップ
1760年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • ピエス・デストマ
    スイス

    ブイヨネの絹サテンに多色の絹糸
    シュニール糸
    フライ・フリンジの小さな造花飾り

ローブ・ア・ラ・フランセーズは、V字型に開いた胸にピエス・デストマを装着しました。

ピエス・デストマは三角形のパネル状の胸衣で、下端の多くはV字型かU字型になっています。

上端に、内ポケットのついたものも見られます。

ピエス・デストマは、最も人目を引く胸部を覆いました。

そのためピエス・デストマは、装飾に溢れるローブ・ア・ラ・フランセーズの中でも、特に贅を尽くされました。

 

コルセットとパニエ

ロココ・スタイル07 コルセット パニエコルセットとパニエ、シュミーズ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • コルセット
    1760-1770年
    茶の綿サテン
    162本のクジラの骨
  • パニエ
    1775年
    綿チンツ
    詰め物をした楕円形の籐のフープ
  • シュミーズ
    1780年

18世紀を通して女性服の形を構築していたのは、コルセットとパニエという下着でした。

コルセットはロココの時代になると、乳房がのぞき出るところまで上端が下がりました。

乳房を下から持ち上げる形となり、胸元に飾られた精緻なレースから乳房を垣間見せることになりました。

初期のパニエは、円錐形でした。

やがて18世紀中期以降、スカートの広がりが増すにつれて左右二つに分かれた形状になりました。

パニエはフランス革命まで、宮廷での着用が義務付けられました。

 

ヴァートー・プリーツ

ロココ・スタイル06 ヴァートー・プリーツドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
1770年代
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    フランス
    フランス式ローブの典型
    ローブの前開きは左右に離れ、ピエス・デストマが縫いとめられている
    スカートはパニエによって左右に大きく張り出す

フランス式ローブ(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)は、背中に深い襞(ひだ)「ヴァトー・プリーツ」がたたまれ、ゆったりと流れ落ちます。

フランス式ローブに対して、イギリス式のローブ(ローブ・ア・ラングレーズ)は背中の襞はありません。

 

ローブ・ア・ラ・ポロネーズ

ロココ・スタイル08 ローブ・ア・ラ・ポロネーゼドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ)
1780年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ)
    フランス
    イエローを中心に、ローズ、萌葱色、黒、アイヴォリーの12色の縞柄の絹タフタ
    前はフック留め
    ガウンをはしょるためのくるみ釦付き
    共布のペティコート

ローブ・ア・ラ・ポロネーズは、1770年代に登場しました。

後ろ腰を釦と紐で持ち上げた、三つの襞(ひだ)が特徴です。

ローブ・ア・ラ・ポロネーズは、「ポーランド風」ローブの意味です。

襞が3パートに分かれることを、ポーランドの国土分割になぞらえています。

18世紀後半になると、散歩や屋外での憩いの習慣が広まりました。

そして動きやすいように、裾を引き上げる着こなしが工夫されました。

宮廷服を除いて、衣服は簡素化へ向かいました。

女性服にも、カジュアルな着装が広がりました。

 

奇想の人工美

ロココ・スタイル02 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
1780年ころ
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    フランス

    ピンクの絹タフタ
    花づな模様を手描きした縁飾り
    共布のピエス・デストマとジュップ(スカート)
    アンガジャント(装飾的なカフス)はブロンド・レース

一方女性の宮廷服は、1770年代になるとパニエでスカートが大きく左右に広がりました。

その様子は、まるで布製の建築物のようでした。

さらに巨大な髪型と被り物がそれを増幅して、人工的な美は極限に達しました。

ロココ全盛期の軽やかさは、完全に消えてしまいました。

全身の中央に顔があるというほどに、髪型が大きくなりました。

女性の髪型は、

  1. 風景
  2. 花壇
  3. 馬車
  4. 果物かご

など奇想天外なものとなりました。

髪型の巨大化に伴い、結髪師の存在が重要になりました。

また衣服に施された装飾の奔放な創意工夫が、髪型と共に重要になりました。

このことは、もとは小物商であったモード商人の活動の場を広げることになりました。

彼らは18世紀後半には、頭飾りを含めて衣服に用いられる装飾全般を加工販売できるようになりました。

そして事実上独占的な権限で、新しい服飾流行を生み出していきました。

 

ファッション雑誌の登場

パリ・モードを伝える手段として見逃せないのが、ファッション雑誌の登場です。

既に17世紀に定期刊行物が誕生し、パリ・モードを伝えていました。

18世紀後半になると、

  1. 「ジュルナル・デ・グー」
    (1768-70、パリ)
  2. 「キャビネ・デ・モード」
    (1785-86、パリ)
  3. 「ギャラリー・デ・モード・エ・コスチューム・フランセ」
    (1778-88、パリ)

など、重要なファッション雑誌が発刊されました。

 

ロココ・スタイル(1730-1790年ころ)の出来事

  • 1715年 ルイ15世即位(1774年まで)
  • 1745年 ポンパドゥール夫人、ルイ15世の愛妾となる
  • 1760年 オーベルカンプ、パリ郊外にプリント工場を設立
         このころ、イギリスの産業革命が始まる
  • 1769年 アークライト(英)、水力紡績機を発明
  • 1772年 第一次ポーランド分割
  • 1774年 ルイ16世即位(1792年まで)
         マリー・アントワネット王妃となる
  • 1775年 アメリカ独立戦争(1783年まで)
  • 1781年 ジェームス・ワット(英)、蒸気機関の工場動力への使用
  • 1789年 フランス革命起こる

参考文献は、

  • 「FASHION 18世紀から現代まで」ISBN978-4-88783-282-4
  • 「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」

です。

スタイルの年代区分は、「西洋服装史Ⅱ」に準じています。

という記事を、書きました。

こちらも、参考にしてください。

ヨーロッパのファッション・スタイルは、以下も参考にしてください。

 

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