ロココ・スタイルからアール・デコ・スタイル

ロココ・スタイルから、アール・デコ・スタイルまで見てきました。
今回は、スタイルの変化を見ます。

 

ロココ・スタイル(1730-1790年ころ)

ロココ・スタイル04 ローブ・ア・ラ・フランセーズドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1765年ころ
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
    フランス
    1765年ころ

    水色に花柄を閉じ込めたカルトゥーシュ・モチーフのリヨン製絹シネ
    立体的にふくらませた共布の縁飾り
    2段のパゴタ袖
    共布のピエス・デストマとジュップ(スカート)
    アンガジャント(装飾的なカフス)はアランソン・レース
    ラペット、ボンネットはアルジャンタン・レース

1715年、フランスでルイ15世が即位しました。

後にロココと呼ばれる、軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)な宮廷文化が開花しました。

  • 1715年 ルイ15世即位(1774年まで)
  • 1789年 フランス革命起こる

 

エンパイア・スタイル(1790-1820年ころ)

エンパイア・スタイル04 盛装 盛装用ドレス 1805年ごろ
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • 盛装用ドレス
    1805年ころ
    葉模様を織り出した、白の絹紋織
    トレーンをひく、ワンピース・ドレス
    ショールは毛糸で草花模様を織り出した、白の絹とウールの交織ゴース
    毛糸のフリンジ付き

フランス革命の後、

  • コルセットやパニエを取り去り
  • ハイウエスト
  • 体を締め付けない直線的

なスタイルが主流となりました。

このスタイルは、ナポレオンの帝政時代を中心として流行したことから、「エンパイア・スタイル」と呼ばれています。

  • 1792年 フランス第1共和制
        (1804年まで)
  • 1799年 ナポレオン第1統領に就任
        (1804年まで)
  • 1804年 ナポレオン1世帝位につく
  • 1814年 ナポレオン退位
        ルイ18世即位(1824年まで)

 

ロマンティック・スタイル(1820-1840年ころ)

ロマンティック・スタイル03ドレス 1830-33年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • ドレス
    1830-33年ころ
    上腕部が極端にふくらんだジゴ袖の典型
    袖のふくらみは、スリープ・パッドによって支えられた

この時代のスタイルは、芸術の潮流「ロマン主義」の影響を大きく受けていました。

ロマン主義は、幻想や理想を追求し、歴史や異国趣味に傾倒していました。

  • 1824年 フランス、シャルル10世即位
        (1830年まで)
  • 1830年 フランス、七月革命
         ルイ・フィリップ即位
        (1848年まで)
  • 1840年 アヘン戦争
        (1842年まで)

 

クリノリン・スタイル(1840-1870年ころ)

クリノリン・スタイル05デイ・ドレス 1863-65年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • デイ・ドレス
    1863-65年ころ

クリノリンという言葉は、馬毛(crin)を織り込んだ硬い麻布(lin)に由来します。

クリノリンは、

  1. 鯨のひげや針金などを輪状につなげた下着
  2. 下着で大きく広がったスカート

を意味するようになりました。

  • 1848年 フランス、ルイ・フィリップを廃し、
         第2共和制をしく(1852年まで)
  • 1852年 フランス、ナポレオン3世即位
         第2帝政時代(1870年まで)
  • 1857年 ウォルト、パリにメゾン開設
        オート・クチュールの始まり
  • 1867年 パリ万国博覧会
  • 1870年 フランス、第3共和制成立(1940年まで)

 

バッスル・スタイル(1870-1890年ころ)

 バッスル・スタイル05レセプション・ドレス N.ロドリゲス 1870年代後半
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • レセプション・ドレス
    N.ロドリゲス
    1870年代後半
    青緑と赤の薔薇の花模様を織り出した絹サテン・ブロケード
    (青緑と赤という補色を合わせた強烈な色彩は、化学染料によるもの)
    ツーピース・ドレス
    衿ぐり、前あき、袖口にレース
    袖口に絹サテンのリボン飾り
    トレーンに絹糸のフリンジ
    木ビーズ

1860年代末頃から、服のシルエットはスカートの前部が平らになりました。

そして、後ろ腰のみにふくらみが残る形に変化しました。

このラインを支えたのが、バッスルと呼ばれる下着でした。

 

アール・ヌーヴォー・スタイル(1890-1910年ころ)

アール・ヌーヴォ・スタイル05 ベールデイ・ドレス ギュスターヴ・ベール 1905年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • デイ・ドレス
    デザイナー:ギュスターヴ・ベール
    1905年ころ
    レース、ボイルなど柔らかな素材を用いている
    豊かな装飾
    素材や装飾を複雑に組み合わせるのが、この時代の特徴

1890年代末から1900年代にかけてのスタイルは、側面から見ると、S 字型をなしています。

S 字型シルエットには、アール・ヌーヴォーの曲線的、有機的な造形との共通性が見られました。

  • 1891年 ジャンヌ・パキャン、メゾン開設
  • 1892年 「ヴォーグ」誌、アメリカで創刊
  • 1895年 キャロ姉妹、メゾン開設
  • 1906年 ポール・ポワレコルセットを使用しないドレス
         (ローラ・モンテス)を発表
  • 1907年 マドレーヌ・ヴィオネ、コルセットをはずし、
         素足にサンダルをはかせたコレクションを発表
  • 1909年 ロシア・バレエ団がパリ公演
         オリエンタリスム流行のきっかけとなる

 

アール・デコ・スタイル(1910-1930年ころ)

アール・デコ・スタイル06イヴニング・ドレス 1920年代中ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • イヴニング・ドレス
    1920年代中ころ
    1920年代には、金のラメ糸が多用された
    これは日本の蒔絵に見られる、金の効果的な使い方を模したものと見なされている

体の線を強調しない、直線的なスタイルが流行しました。

1925年の「パリ装飾芸術博覧会」をきっかけに、アール・デコ・スタイルとして認識されるようになりました。

  • 1910年 シャネル、カンボン通りに帽子店を開く
  • 1911年 ポール・ポワレ、パリ・クチュール組合設立
         パリ・コレクションの開始
  • 1912年 マドレーヌ・ヴィオネ、メゾン開設
         ジャン・パトゥ、メゾン「Parry」を開設
  • 1914年 第一次世界大戦(1918年まで)
  • 1915年 クリストバル・バレンシアガ、スペインにメゾン開設
  • 1918年 マリアノ・フォルチュニィ、メゾン開設
  • 1919年 ルシアン・ルロン、メゾン開設
  • 1925年 パリで装飾芸術博覧会(アール・デコ展)が開催
  • 1929年 ニューヨーク株価大暴落、世界恐慌起こる

 参考文献は、

  • 「FASHION 18世紀から現代まで」ISBN978-4-88783-282-4
  • 「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」

です。

スタイルの年代区分は、「西洋服装史Ⅱ」に準じています。

 

ヨーロッパのファッション・スタイルは、以下も参考にしてください。

1890年代〜1980年代のファッション」も参考にしてください。