ピエト・モンドリアンのすごい影響力

画家のピエト・モンドリアンの影響力は、すごいです。
イヴ・サンローランのモンドリアンルックと、イームズハウスを見ていきましょう。

 

画家 ピエト・モンドリアン

ピエト・モンドリアン02 コンポジション「コンポジション」 ピエト・モンドリアン 1928年
「FASHION 18世紀から現代まで」より
ISBN978-4-88783-282-4

 

  • 「コンポジション・ウィズ・レッド・イエロー・アンド・ブルー」
    ピエト・モンドリアン

    1928年

ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)

オランダ出身の画家

  • 1872年 オランダのアメルスフォールトに生まれる(3月7日)
  • 1892年 アムステルダム国立美術アカデミーに入学
  • 1912年 パリに滞在し、キュビズムの理論にしたがった、
         平面的、幾何学的な形態への還元に取り組む
  • 1914年 オランダに帰国
  • 1917年 芸術雑誌「デ・ステイル」を創刊
         「ネオ・プラスティシズム(新造形主義)」を唱える
  • 1919年 パリに戻る
  • 1921年 水平、垂直の直線と三原色からなる「コンポジション」の作風が確立
  • 1925年 芸術雑誌「デ・ステイル」をやめる
  • 1938年 ロンドンに移住
  • 1940年 ニューヨークに移住
  • 1942年 生涯初の個展を開催
  • 1944年 死去(2月1日)

 

ピエト・モンドリアンの絵画の特徴

ピエト・モンドリアン09 コンポジションピエト・モンドリアン 「コンポジション」1922年
「YVES SAINT LAURENT」より
ISBN978-0-8109-9608-3

 

  • コンポジション
    青、赤、黄と黒
    ピエト・モンドリアン

    1922年
    カンバスに油彩
    79.6cm×49.8cm

ピエト・モンドリアンは、本格的な抽象絵画を描いた最初期の画家です。

水平と垂直のみで分割された画面に、

の三原色のみを用い、「リアリティ(真実性)」を追求しました。

ピエト・モンドリアンの絵画は、そのストイックさから「冷たい抽象」と呼ばれています。

「コンポジション」シリーズが、もっとも有名です。

 

イヴ・サンローランのモンドリアンルック

ピエト・モンドリアン03 モンドリアンルック イヴ・サンローランモンドリアン・ドレス イヴ・サンローラン 1965年秋冬
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • モンドリアン・ドレス
    イヴ・サンローラン
    1965年秋冬オートクチュール・コレクション
    白に赤、黒をつなぎ合わせたウール・ジャージーのワンピース・ドレス

イヴ・サンローラン(1936-2008)は、1965年に「モンドリアン」ルックを発表しました。

モンドリアン・ルックは、簡素な造形の1960年代のドレスです。

この簡素なドレスに、ピエト・モンドリアンの絵画を置きました。

イヴ・サンローランは、オートクチュールに新しいエレガンスを導入しました。

 

服を平面的、幾何学的な形態へ還元

ピエト・モンドリアン04 モンドリアンルック イヴ・サンローランモンドリアン・ドレス イヴ・サンローラン 1965年秋冬
「YVES SAINT LAURENT」より

 

  • モンドリアン・ドレス
    イヴ・サンローラン
    ”ヴォーグ・パリ” 1965年9月号の表紙
    多色のウール・ジャージーでデザイン
    Photograph by David Bailey

今でもモンドリアンルックはコピーされ 、テレビや雑誌で目にすることがあります。

しかしコピーされたモンドリアンルックに、私は違和感を感じてしまいます。

イヴ・サンローランは立体的な服の中に、コンポジションを平面的に構成しています。

ピエト・モンドリアンが目指した「平面的、幾何学的な形態への還元」を、イヴ・サンローランは立体的な服の中に再現しています。

黒い線と三原色を使えば、モンドリアンルックになるわけではありません。

 

服のアップ写真

ピエト・モンドリアン05 モンドリアンルック イヴ・サンローランモンドリアン・ドレス イヴ・サンローラン 1965年秋冬
「YVES SAINT LAURENT」より

 

  • モンドリアン・ドレス
    イヴ・サンローラン

    1965年秋冬オートクチュール・コレクション
    ecru色のウール・ジャージーと黒、赤、黄、青

上は、モンドリアンルックのアップ写真です。

この写真から、素材感がよく分かります。

胸のあたりに、手縫いのような風合いが見られます。

この写真からは胸ぐせの取り方が、よくわかります。

 

服の全体像

ピエト・モンドリアン06 モンドリアンルック イヴ・サンローランモンドリアン・ドレス イヴ・サンローラン 1965年秋冬
「YVES SAINT LAURENT」より

 

  • モンドリアン・ドレス
    イヴ・サンローラン
    1965年秋冬オートクチュール・コレクション

写真からは、黒いパーツは1枚に裁断したように見えます。

1枚のパーツだとすれば、贅沢な布の使い方をしています。

黒いパーツに接ぎが入っているとすれば、とても正確な裁断と縫製です。

私は、黒いパーツは1枚で裁断されていると思います。

それにしても、オートクチュールらしい贅沢な作りです。

 

イヴ・サンローランについては、以下も参考にしてください。

 

イームズハウス

ピエト・モンドリアン07 イームズ・ハウスイームズハウス
「BRUTUS 2011年7月15日号」より

 

イームズハウスは、

  • チャールズ・イームズ(1907-1978)
  • レイ・イームズ(1912-1988)

の自邸です。

カリフォルニア州ロサンゼルスの西端、サンタモニカビーチを望むパシフィック・パリセーズという小高い丘の上に建っています。

イームズハウスは、1949年に竣工されました。

イームズハウスは、雑誌「アーツ&アーキテクチャー」による「ケーススタディ・ハウス・プログラム」の一環として企画・設計されました。

8番目に設計された住宅なので、「ケーススタディ・ハウス#8」という別名があります。

 

イームズハウスの内側

ピエト・モンドリアン08 イームズ・ハウススタジオ棟の1階から、2階を望んだところ
「BRUTUS 2011年7月15日号」より

 

イームズハウスの配色は、ピエト・モンドリアンの作品を彷彿とさせます。

しかし、「アートであるモンドリアンと、工場生産品のパネルを使ったイームズハウスはまったく違うもの。」という記述がありました。 

 

イームズについては、以下も参考にしてください。

 

まとめ

ピエト・モンドリアンの芸術思想の結晶が、「コンポジション」シリーズでした。

ピカソやブラックが提唱したキュビズムの理論にしたがい、ピエト・モンドリアンは、

  1. 平面的
  2. 幾何学的

な形態への還元に取り組みました。

そんなピエト・モンドリアンの作品だからこそ、数多くのデザイナーに影響を与えたのでしょう。