オーレ・ヴァンシャー

デンマーク・デザイン展に、オーレ・ヴァンシャーの作品も展示されていたと思っていました。
目録を見直すと、オーレ・ヴァンシャーの名前はありませんでした。

 

オーレ・ヴァンシャー

オーレ・ヴァンシア02オーレ・ヴァンシャー
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より
ISBN978-4-418-09101-0

 

オーレ・ヴァンシャー(Ole Wanscher)

  • 1903年 コペンハーゲンに生まれる(9月16日)
  • 1924年 コーア・クリントの事務所に勤務
  • 1928年 家具デザイナーとして独立
  • 1929年 王立芸術アカデミーを卒業
  • 1932年 「家具様式」を出版
  • 1944年 「英国家具」を出版
  • 1955年 王立芸術アカデミーの教授を務める
         (-1973年)
  • 1960年 ミラノトリエンナーレ金賞を受賞
         家具工業ギルド展示会年度賞受賞
  • 1974年 スカンジナビアデザイン賞受賞
  • 1985年 死去(12月27日)

 

王立芸術アカデミー家具科の2代目教授

オーレ・ヴァンシア03 イージーチェア PJ149イージーチェア オーレ・ヴァンシャー 1949年
「北欧デザイン手帖」より
ISBN978-4-579-21019-0

 

  • イージーチェア PJ149
    オーレ・ヴァンシャー
    1949年
    背と座にクッションを置いて使う
    革張りのクッションの中身は羽毛
    マホガニー、ローズウッド、チーク+革張り
    W650×D680×H850、SH460mm

オーレ・ヴァンシャーはコーア・クリントの跡を受け継ぎ、王立芸術アカデミー家具科の2代目教授に就任しました。

オーレ・ヴァンシャーは、古典の研究を熱心に行いました。

そしてオーレ・ヴァンシャーは、コーア・クリントが切り拓いた近代デザインの道をさらに発展させました。

オーレ・ヴァンシャーの言葉を、以下に引用します。

アームチェアは、最も敏感な指先が触れるアームの裏側がきれいに仕上がっていると、指先を通して椅子への信頼感が生まれる。
裏側も表と同様、丁寧に仕上げているのがデンマークの椅子。

「別冊家庭画報 北欧インテリア」p93より引用

オーレ・ヴァンシャーは、

  • 造形美術の古典に対する知識
  • 若いころの建築技術者としての経験

を生かして品格のある家具を生み出しました。

またオーレ・ヴァンシャーは、家具に関する本も多く著しました。

著書「家具様式」で紹介された中国・明時代の椅子は、ハンス・J・ウェグナーにインスピレーションを与えました。

 

温厚な人柄

オーレ・ヴァンシャー04 Tチェア PJ58Tチェア オーレ・ヴァンシャー 1958年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • Tチェア PJ58
    オーレ・ヴァンシャー
    1958年
    デンマークのホテルのためにデザインされた椅子
    背もたれの形状からTチェアと呼ばれる
    ローズウッド+革張り
    W450×D500×H800,SH480

オーレ・ヴァンシャーは、大変穏やかで温厚な知識人でした。

オーレ・ヴァンシャーは、

  • P・イエピセン
  • A・J・イヴァーセン
  • R・ラスムッセン

といった家具マイスターの優れた技術を得て、良質な

  • マホガニー
  • ローズウッド

を素材とした、優雅で品格あるデザインをいくつも発表しました。

柔和な人柄を反映してオーレ・ヴァンシャーは、どの職人と組んでも良い仕事ができる人でした。

オーレ・ヴァンシャーは、

  • 学者
  • 研究者
  • デザイナー

として活躍しました。

そしてデンマークデザインの黄金期に、王立芸術アカデミー家具科の教授として多くの後進を育てました。

 

まとめ

オーレ・ヴァンシャー05 エジプシャンスツール PJ2000エジプシャンスツール オーレ・ヴァンシャー 1960年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • エジプシャンスツール PJ2000
    オーレ・ヴァンシャー
    1960年
    エジプト・テーベの遺跡から発掘されたものをリデザイン
    イメージソースとなったスツールは紀元前1500〜1600年ころのもの
    マホガニー+革
    W550×D320×H410、SH380mm

今回オーレ・ヴァンシャーについて調べた結果、王立芸術アカデミーの

  • 初代教授 コーア・クリント プロペラスツール
  • 2代教授 オーレ・ヴァンシャー エジプシャンスツール
  • 3代教授 ポール・ケアホルム ファールディングスツール

がみな折りたたみのスツールをリデザインしていたのがおもしろかったです。

そしてそのスツールには、それぞれのデザイナーの個性がよく出ていました。

デザイナーには、気難しかったり尊大な態度の人が多い印象があります。

しかしよく調べてみると、オーレ・ヴァンシャーのように穏やかで温厚なデザイナーも結構います。

穏やかで温厚な人柄は、仕事をするうえでの利点でもあります。

デンマークのデザイナーの層が厚いのは、オーレ・ヴァンシャーのおかげなのだということがよくわかりました。

そして日本のファッションデザインの世界には、オーレ・ヴァンシャーのような人が必要だと思いました。

 

デンマークのデザイナーについては、以下も参考にしてください。