ナナ・ディッツェル

建築の本を見ているとかなりの確率で、ナナ・ディッツェルのハンギングエッグチェアが出てきます。
トリニダードチェアも初めて見たとき、「いいなぁ」と思いました。

 

ナナ・ディッツェル

ナナ・ディッツェル02ナナ・ディッツェル
「北欧インテリア図鑑 ELLE DECOR NO.139 2015年 8月号別冊付録」より

 

ナナ・ディッツェル(Nanna Ditzel)

  • 1923年 デンマークのコペンハーゲンに生まれる(10月6日)
  • 1946年 コペンハーゲン工芸美術学校を卒業
         夫であるヨルゲン・ディッツェルと共に事務所を設立
  • 1956年 第6回ルニング賞を夫婦で受賞
  • 1960年 ミラノトリエンナーレで金賞を受賞
         (対象はジョージ・ジェンセン社のジュエリー)
  • 1961年 夫のヨルゲン・ディッツェル死去
  • 1970年 活動の場をロンドンに移す
  • 1986年 活動の場をコペンハーゲンに移す
  • 1988年 ジョージ・ジェンセン財団の理事
         (-1990年)
  • 1989年 デンマーク芸術財団の工芸・デザイン委員会委員長を務める
         (-1992年)
  • 1992年 デンマークデザインセンターの委員を務める
  • 1995年 デンマークID賞(工業デザイン賞)を受賞
  • 2005年 死去(6月17日)

 

コンペへの挑戦

ナナ・ディッツェル03 ハンギングエッグチェアハンギングエッグチェア ナナ&ヨルゲン・ディッツェル 1957年
「ELLE DECOR NO.133 2014年 8月号」より

 

  • ハンギングエッグチェア
    ナナ&ヨルゲン・ディッツェル
    1957年
    夫ヨルゲンと手がけたデザイン
    熟練の籐職人が卵を縦に割ったような独特な形に編み上げている
    ラタン (芯籐)
    W850×D700×H1200mm
    ヤマカワラタン

ナナ・ディッツェルの活躍のきっかけは、コンペへの積極的な挑戦でした。

ナナ・ディッツェルは20代のころには、

  • 家具
  • テキスタイル
  • ガラス
  • ホーロー
  • 金属

など、さまざまな素材の分野で賞を獲得しました。

1956年にはスカンジナビアのデザイン界のノーベル賞とも称される「ルニング」賞を、33歳の若さで受賞しました。

ナナ・ディッツェルは、金属アクセサリーのデザインにも活動の幅は広がりました。

ジョージ・ジェンセンに提供したデザインは、1960年にはミラノトリエンナーレ展で金賞を受賞しました。

 

フィン・ユールの影響

ナナ・ディッツェル04 リングチェアリングチェア ナナ&ヨルゲン・ディッツェル 1958年
「北欧インテリア図鑑 ELLE DECOR NO.139 2015年 8月号別冊付録」より

 

  • リングチェア
    ナナ&ヨルゲン・ディッツェル
    1958年
    夫ヨルゲンと手がけたデザイン
    円のモチーフ、真ん中がやや膨らんだ脚
    W850×D700×H700、SH400mm
    オーク材・ウォールナット材
    ゲタマ社

ナナ&ヨルゲン・ディッツェル夫妻のデザインには、フィン・ユールの影響が多く見られます。

フィン・ユールの影響は、柔らかな曲線で形作られたデザインによく現れています。

ヨルゲン・ディッツェルは、フィン・ユールと同じデザイン学校で同僚として働いていた時期がありました。

ナナ&ヨルゲン・ディッツェル夫妻は、フィン・ユールと仲がよかったようです。

ナナ&ヨルゲン・ディッツェル夫妻は価値観を共有し、共同でデザイン作業にあたりました。

1961年にヨルゲンが亡くなるまでのデザインは、夫妻の連名になっています。

 

優れた観察力

ナナ・ディッツェル05 ベンチフォアツーベンチ・フォア・ツー ナナ・ディッツェル 1990年
「美しい椅子3 世界の木製名作椅子」より
ISBN4-7779-0153-X

 

  • ベンチ・フォア・ツー
    ナナ・ディッツェル
    1990年
    長年、蝶を観察し続けた結果、流麗なデザインが生み出された
    座と背はシルクスクリーン印刷された航空機用の薄い合板を使用
    カエデ材、成形合板
    W1500×D700×H980、SH400mm
    フレデリシア社

ナナ・ディッツェルは、19歳で家具職人学校に入学しました。

そして20歳の時、コペンハーゲン工芸美術学校の家具科で学びました。

ナナ・ディッツェルは、芸術アカデミーでは聴講生としてコーア・クリントに師事しました。

ナナ・ディッツェルのデザインの根底には、優れた観察力があります。

ナナ・ディッツェルの言葉を、以下に引用します。

常に周囲を注意深く観察し、心に残るものを時間をかけて熟成させ、目的と条件のもとに組み立てる。

「美しい椅子3 世界の木製名作椅子」p159より引用

ナナ・ディッツェルのデザイン哲学は、コーア・クリントの影響を抜きには語れません。

コーア・クリントの言葉を、以下に引用します。

デザインに一番重要なことは機能、その上に人間らしい感覚を結晶化させることだ。

「美しい椅子3 世界の木製名作椅子」p159より引用

 

まとめ

ナナ・ディッツェル06 トリニダードチェアトリニダードチェア ナナ・ディッツェル 1993年
「北欧デザイン手帖」より
ISBN978-4-579-21019-0

 

  • トリニダードチェア
    ナナ・ディッツェル
    1993年
    トリニダード・トバゴを旅行して考えたデザイン
    扇型に広がる丸い背
    ビーチ、オーク、ウォールナット、マープル
    W475×D570×H830、SH440mm
    フレデリシア社

ナナ・ディッツェルは、デザイン大国デンマークに生まれました。

そしてナナ・ディッツェルは、デンマークの偉大な先人から哲学を学びました。

自分がかつての先人の立場になると、ナナ・ディッツェルは後進を育てました。

私が興味を持ったのは、ナナ・ディッツェルが聴講生だったことです。

私も文化服装学院の聴講生だったので、励まされた感じがしました。

 

デンマークのデザイナーについては、以下も参考にしてください。