辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換

東京家政大学博物館で、「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」という面白いタイトルの展覧会を見ました。
とても良かったので、報告します。

 

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展

明治の衣生活大転換02「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤー

 

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展

  • 開催期間:2017年10月19日(木)-2017年11月24日(金)
  • 開館時間:9:30-17:00
  • 休館日 :日曜、祝日、10月30日
         (10月29日は学園祭のため開館)
  • 開催場所:東京家政大学博物館
         (東京家政大学内・百周年記念館5階 展示室)
         東京都板橋区加賀1-18-1
  • 最寄り駅:JR埼京線「十条駅」徒歩5分、
         都営三田線「新板橋駅」徒歩12分
  • 入館無料

私は正門の守衛室で、
「特別企画展を見にきました。」
と言いました。

守衛室で、入館許可証を受け取りました。

 

3つの展示テーマ

明治の衣生活大転換03 文官大礼服文官大礼服 明治後期
「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤーより

 

  • 文官大礼服
    上田萬年着用
    明治後期
    ウール
    金刺繍

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展は、3つのテーマで構成されています。

そのテーマとは、

  1. 洋装のはじまり
  2. 和と洋のはざまで
  3. 和服の近代化

です。

洋装だけの展示ではなく、明治時代の衣生活の大転換をわかりやすく展示しています。

時代やテーマとしては、

に近いです。

しかし「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展は、独自の視点で構成されていました。

 

リアルな明治の衣生活

明治の衣生活大転換04 ローブ・デコルテローブ・デコルテ 明治末期
「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤーより

 

  • ローブ・デコルテ
    辰五郎四女着用
    明治末期

    ビーズ
    スパンコール

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展には、短くてわかりやすい説明文が添えてありました。

私はこの説明文を読んで、

  • なぜ紳士服から洋装化したのか
  • なぜ婦人服の洋装化は遅れたのか
  • 紳士服の礼服の順位
  • 着物の弊害
  • 和服の変化

などがよくわかりました。

それから服のカッティングについて、トワルを使って丁寧に分類していました。

そのカッティングは、

  1. 和式の裁断
  2. 洋式の裁断
  3. 和洋折衷の裁断

の3つに分類されていました。

私は、和洋折衷の裁断に興味を持ちました。

この裁断方法は、1980年代のヨウジヤマモトの考え方です。

 

着物の弊害

明治の衣生活大転換05 振袖染分変わり織地菊牡丹芙蓉貝桶扇模様振袖 明治末期
「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤーより

 

  • 染分変わり織地菊牡丹芙蓉貝桶扇模様振袖
    明治末期

ジャポニスムとパリモード」を書いたときに読んだ文献には着物の特徴として、

  • 平面的な構造
  • 体を締め付けないシルエット

が、ヨーロッパで受け入れられたと書いてありました。

事実ヨーロッパでは、帯を締めない着物のような室内着が作られました。

しかし私は、本来の着物はリラックスできるものではなく、相当のストレスを感じるものだと思っていました。

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展の説明文に、着物の帯を強く締める弊害が書いてありました。

明治時代には、

  • 体型が変形する
  • 消化不良を起こす

などの弊害があると考えられていました。

私が思うに、着物の帯はヨーロッパのコルセットのようなものです。

コルセットである帯を外せば、着物は体を締めつかないはずです。

ヨーロッパのファッションデザイナーは、本来の着物とは違うところから発想して新しい服を作りました。

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展を見て、私の中でいろいろな考えが繋がった瞬間でした。

 

布の展示

明治の衣生活大転換06 改良服女物改良服女物・改良袴 (復元)平成24年
「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤーより

 

  • 改良服女物・改良袴
    渡邊辰五郎考案
    (復元)平成24年
    綿

「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展には、布が展示してありました。

  • 着物用の反物
  • 広幅の布

など、とてもわかりやすい展示でした。

知っている布でも、実物の布と詳しい説明があるとためになります。

このような展示を見ると、私の中で新しいデザインが生まれます。

フィンランド・デザイン展 府中市美術館」もそうでしたが、何度も見たことがあるものでも丁寧に展示されると感激するものです。

ロートレックとアートになった版画・ポスター展」とは大違いで、楽しんて展示していることが伝わってきました。

 

まとめ

明治の衣生活大転換07 裁縫雛形裁縫雛形
「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」展フライヤーより

 

  • 裁縫雛形

  • 改良服女物・改良袴
    明治38年
    綿
    縮尺約1/3

  • 女東コート
    明治42年
    綿
    縮尺約1/3
  • 渡邊式改良袴
    明治45年
    綿
    縮尺約1/3

まだ2回しか見ていませんが、東京家政大学博物館はとてもいい展示をする博物館です。

西洋服装史II スタイルとディテイル」も「辰五郎と滋の見た明治の衣生活大転換」も、見終わると好奇心でいっぱいになります。

見終わった後に、

  • 関連することを調べる
  • 考察する
  • 作ってみる

こんなことをしたくなってしまいます。

アパレル業界で働いている人や、服飾の学生にぜひ見てもらいたい展覧会です。

新しい発想が、きっと生まれるはずです。

 

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