マリアノ・フォルチュニィ

マリアノ・フォルチュニィは、ファッションの世界に所属することを望んでいませんでした。
しかし、マリアノ・フォルチュニィがファッションに及ぼした影響は絶大でした。

 

マリアノ・フォルチュニィ

マリアノ・フォルチュニィ02デルフォス・ドレス マリアノ・フォルチュニィ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

マリアノ・フォルチュニィ

  • 画家
    発明家
    エンジニア
    写真家
    テキスタイル・アーティスト
    インテリア・デザイナー
  • 1871年  スペインのグラナダに生まれる(5月11日)
  • 1890年  イタリアのヴェネツィアに移住
  • 1901年  テキスタイルの仕事を開始
  • 1905年  パラッツォ・フォルチュニーと名付けたブティックをオープン
  • 1907年頃 デルフォス・ドレスをデザイン
  • 1918年  メゾン開設
  • 1933年  資金難のためメゾンを一時閉鎖
          アメリカ人インテリア・デザイナーのエルシー・マクニール・リーが会社を再建
          国際的な成功へと導く
  • 1938年  メゾンを閉鎖
  • 1949年  死去

 

リヒャルト・ワーグナーへの傾倒

マリアノ・フォルチュニィ03デルフォス・ドレスを着たNatacha Rambova 1924年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • デルフォス・ドレス
    マリアノ・フォルチュニィ

    モデル:Natacha Rambova
    写真 :ジェームス・アビー
    1924年

マリアノ・フォルチュニィは、20世紀の変わり目の芸術哲学を代表する存在でした。

マリアノ・フォルチュニィはドイツのバイロイトを訪れ、リヒャルト・ワーグナーの作品や劇場デザインに触れました。

ワーグナーの思想は、舞台芸術の統合に重点が置かれていました。

  • イタリアのマリアノ・フォルチュニィ
  • オーストリアのウィーン工房
  • フランスのポール・ポワレ
  • イギリスのザ・マッキントッシュ・フォー
  • アメリカのフランク・ロイド・ライト

などのデザイナーはこうした概念を、

  • 建築
  • インテリア
  • テキスタイル
  • 衣料

など、生活のための統合的環境だと解釈しました。

 

デルフォス・ドレス

マリアノ・フォルチュニィ04デルフォス・ドレス マリアノ・フォルチュニィ 1910年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • デルフォス・ドレス
    マリアノ・フォルチュニィ

    1910年代
    グリーンの絹サテン
    アームホールと脇線に計104個のガラス玉付き
    細かく不規則なプリーツ
    前後6枚の布を使用

代表作である「デルフォス」は、1907年頃から制作が始まりました。

マリアノ・フォルチュニィはさまざまな文化を理解し、その知識をもとに服作りのアイディアを考えました。

デルフォスは日本や中国の絹地を用い、古代ギリシャ風のドレスに仕立てられました。

絹織物を細かく不規則にたたんだプリーツが肩から流れ落ち、自然に体を覆います。

そのプリーツは女性の身体上で波打ち、動きや光の反射に美しく色を変えます。

またデルフォス・ドレスは、

  1. 全体に施されたプリーツ
  2. 重りの役目をもつトンボ玉

など、構造自体が装飾を兼ねています。

 

ショールやコートのベース

マリアノ・フォルチュニィ05チュニックとパンツ マリアノ・フォルチュニィ 1910年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • チュニックとパンツ
    マリアノ・フォルチュニィ

    1910年代
    ワインレッドの絹ボイルに銀のステンシル・プリントをしたチュニック
    裾にガラス玉付き
    細かくプリーツした絹のパンツ

デルフォス・ドレスに組み合わせる、ショールやコートのベースには、

  1. 北アフリカのチュニック
  2. ビザンチン風マント
  3. インドのサリー

などが使われました。

 

着心地のよい室内着

マリアノ・フォルチュニィ06ドレス マリアノ・フォルチュニィ 1930年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ドレス
    マリアノ・フォルチュニィ

    1930年代
    黒い絹ベルベットにルネッサンス・モチーフの金のステンシル・プリント
    脇と袖下の差し込みは黒の絹サテンをプリーツ加工したもの

マリアノ・フォルチュニィの服には、コルセットのようなハードな下着を合わせる必要がありませんでした。

それゆえ公式な場ではなく、

  1. 室内着
  2. 普段着

として利用されることが多かったようです。

しかし丈がたっぷりと長く、トレーンをひくものもありました。

 

まとめ

マリアノ・フォルチュニィ07ドレス マリアノ・フォルチュニィ 1930年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ドレス
    マリアノ・フォルチュニィ

    1930年代
    ブルー・グリーンのベルベットに金のステンシル・プリント

    脇と袖下の差し込みは絹サテンをプリーツ加工したもの

マリアノ・フォルチュニィは、

「多くに関心を抱くわたしだが、絵画こそわが天職とつねづね考えてきた。」

「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」P89より引用
ISBN978-4-7661-2374-6

と言っています。

マリアノ・フォルチュニィには、模倣の才能がありました。

著名な画家のスタイルをまねる、達人でもありました。

この能力が、ほかのデザイナーからの無数の影響を掘り起こしました。

そしてこの能力が、自作の美しいテキスタイルを花開かせる力となったのです。

 

マリアノ・フォルチュニィの服は、下記のページにも掲載しています。