レッグ・オブ・マトン袖 (ジゴ袖)

小池千枝先生が著した「袖」のなかに、レッグ・オブ・マトン袖について書いてありました。
今回は、レッグ・オブ・マトン袖について調べてみます。

 

レッグ・オブ・マトン袖

レッグ・オブ・マトン袖02レッグ・オブ・マトン袖
「袖 着やすさと美しさのテクニック」より
ISBN4-579-10131-6

 

  • レッグ・オブ・マトン袖
    イラストレーション:坂本千尋

レッグ・オブ・マトン袖についての小池千枝先生の解説を、以下に引用します。

レッグオブマトンスリーブ(leg-of-mutton sleeve)は、パフスリーブとタイトスリーブのミックス型とでも言えるでしょうか。
上部が大きくふくらみ、手首に向かって細くなったもので、羊の足に似ているところから、こうよばれています。

「袖 着やすさと美しさのテクニック」p11〜12より引用

 

ロマンティック・スタイルのレッグ・オブ・マトン袖

ロマンティック・スタイル16デイ・ドレス 1838年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • デイ・ドレス
    1838年ころ
    アメリカ
    赤い絹とウールの交織のゴーズ
    絹サテンのパイピング
    身頃と袖にくるみ釦
    レッグ・オブ・マトン袖
    袖山にプリーツ、段飾り、ブロンド・レースの挟み込み

ロマンティック・スタイル(1920-1840年ころ)のドレスは、袖が特徴的でした。

その袖は、肩から袖口までが大きくふくらむレッグ・オブ・マトン袖が大流行しました。

フランス語では、「ジゴ袖」と言います。

この袖のふくらみは、1835年ころに最大で極端な形となりました。

この当時、大きくふくらんだレッグ・オブ・マトン袖とバランスをとるように、

  • 髪型
  • 帽子

も大型化しました。

1840年代になると極端な形の流行は廃れて、落ち着きを取り戻しました。

 

スリープ・パッド

ロマンティック・スタイル04コルセット、シュミーズ、ペティコート、スリーブ・パッド 1830年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より
ISBN978-4-88783-282-4

 

  • コルセット、シュミーズ、ペティコート、スリーブ・パッド
    1830年代
    コルセットは、白い綿サテンに刺繍とコード・キルティング
    ストラップ付き
    前中心に木製のバスク入り
    シュミーズは白の綿
    ペティコートは白の麻
    スリーブ・パッドは白の綿チンツにダウン入り

レッグ・オブ・マトン袖のふくらみを際立たせるために、ドレスの下にスリーブ・パッドを装着しました。

 

19世紀末のレッグ・オブ・マトン袖

日本製テキスタイルのドレス06 ジャック・ドゥーセデイ・ドレス ジャック・ドゥーセ 1893年ころ
「ファッションとアート 麗しき東西交流展」図録より
ISBN978-4-89737-894-7

 

  • デイ・ドレス
    ジャック・ドゥーセ
    (フランス)
    1893年ころ
    ツーピース・ドレス
    レッグ・オブ・マトン袖
    衿元に朱色の絹サテンのリボン装飾
    共布による幅広のベルト
    スカートの裾にはギャザーを寄せた共布と、絹サテンのリボンによる装飾

1890年代の半ば、1830年代に流行したレッグ・オブ・マトン袖が復活しました。

しかし1900年ころには、レッグ・オブ・マトン袖は廃れてしまいます。

また帽子も大型化し、鳥の剥製などの極端で華美な装飾が施されたものが20世紀の初頭まで流行しました。

 

テーラードスタイルのジャケットを予想

小池千枝先生 袖の構造の変化08レッグオブマトンスリーブ 1890年
「袖 着やすさと美しさのテクニック」より

 

  • レッグオブマトンスリーブ
    1890年
    「DICTIONAIRE DU COSTUME」
    GRUND

小池千枝先生の解説を、以下に引用します。

この図は1890年のもの。
極端に細まったウエスト、またそれをより強調するために肩先をアクセントづけています。
このジゴ(gigot〈仏〉、レッグオブマトンスリーブと同じ)には、やがて来る20世紀のテーラードスタイルのジャケットを予想させるものがあります。

「袖 着やすさと美しさのテクニック」p14より引用

 

まとめ

ファッションとアート横浜美術館03輸出用ティー・ガウン 日本製 1985年頃
「ファッションとアート 麗しき東西交流展」図録より

 

  • 輸出用ティー・ガウン
    紫の甲斐絹(かいき)
    菊と紅葉柄の刺繍
    ピエモンテーズ風プリーツ
    レッグ・オブ・マトン袖
    組紐に房と木ビーズ付きのベルト
    KCI

レッグ・オブ・マトン袖は、

  • 1830年代
  • 1890年代

に流行しました。

しかし2つの時代ともに、わずかの期間で流行は廃れてしましました。

レッグ・オブ・マトン袖の大きさとバランスを取るように、

  • 帽子
  • 髪型

は大型化しました。

「袖 着やすさと美しさのテクニック」は、1979年に発刊されました。

1970年代に小池千枝先生がなぜ、レッグ・オブ・マトン袖を取り扱ったのか考えています。

 

レッグ・オブ・マトン袖(ジゴ袖)については、以下も参考にしてください。