胸を強調しない原型 原型シリーズ5

前回の原型シリーズから、半年近く経ってしまいました。
今回ようやく、胸を強調しない原型を作ってみました。

 

1984年版文化式原型

小池千枝先生 文化式原型22前身頃のダーツの展開図
「文化ファッション講座 婦人服1」より
ISBN4-579-10009-3

 

原型のトワルを組み立る 原型シリーズ3」で見ましたが、1984年版の文化式原型にはたくさんのダーツ分量が含まれています。

すなわち女性の胸ぐせを、ダーツで処理しているのです。

文化式原型を使った場合、

  • ダーツがある服は理解しやすい
  • ダーツがない服は理解できない

という人が多いと思います。

今回は文化式原型を使って、胸を強調しない(ダーツを取らない)原型を作ってみます。

 

文化式原型を紙に写す

小池千枝先生 文化式原型37文化式原型を使って作図

 

最初に、文化式原型を紙に写します。

このとき、

  1. 脇線は前中心線と後ろ中心線に平行にする
  2. 前身頃のウエストラインを脇線に垂直に伸ばす

ようにします。

この時点で、脇線の長さは前後で違っています。

 

前身頃と後ろ身頃の肩をピンで留める

作図を、トワルに写します。

このとき、

  1. トワルの状態がわかりやすいように、ウエスト丈+20cmの着丈とする
  2. 衿ぐりには、1cm幅の縫い代を付ける
  3. アームホールには、多めの縫い代を付ける

ようにトワルを裁断しました。

肩をピンで留めるときは、いせを入れていません。

 

小池千枝先生 文化式原型38肩をピンで留めたトワル(前)

 

 

ボディにトワルを着せ、前中心と後ろ中心をピンで留めました。

このときのトワル(前)は、

  1. 前身頃の脇にフレアが出ました。
  2. 前中心よりも脇が下がりました。

このようになりました。

 

後ろ

小池千枝先生 文化式原型39肩をピンで留めたトワル(後ろ)

 

肩をピンで留めただけのトワルの、後ろ姿です。

このときのトワル(後ろ)は、

  1. 肩甲骨付近から、フレアが出ました。
  2. 後ろ中心よりも脇が下がりました。

このようになりました。

 

小池千枝先生 文化式原型40肩をピンで留めたトワル(脇)

 

肩をピンで留めただけのトワルの、脇です。

トワル(脇)は、

  1. 裾が大きく開いている
  2. 前のアームホールが窮屈そう
  3. 肩線が後ろに移動している

ような状態になりました。

 

前後のウエストラインを合わせて脇をピンで留める

前後のウエストラインを合わせて、脇線をピンで留めました。

前身頃のアームホール底は、邪魔にならないように縫い代を多めに残してカットしました。

 

小池千枝先生 文化式原型41肩と脇をピンで留めたトワル(前)

 

 

この状態のトワル(前)は、

  1. 前身頃のアームホールが窮屈そう

な状態です。

 

後ろ

小池千枝先生 文化式原型42肩と脇をピンで留めたトワル(後ろ)

 

この状態のトワル(後ろ)は、

  1. 後ろ身頃のアームホールが窮屈そう
  2. 肩甲骨付近にシワがある

状態になりました。

 

小池千枝先生 文化式原型43肩と脇をピンで留めたトワル(脇)

 

この状態のトワル(脇)は、

  1. アームホールが窮屈そう
  2. 身頃にシワが入っている
  3. 肩線が後ろに移動した

状態になっています。

 

アームホールを整理する

以上の結果から、

  1. アームホールを整理する
  2. 前肩と後ろ肩の長さを同じにする
  3. 肩線を前に1.5cm移動する

という操作をしました。

その結果、下の写真のようになりました。

 

小池千枝先生 文化式原型44アームホールを整理したトワル(前)

 

デザインによってアームホールを変える必要はありますが、原型としてはいいのではないでしょうか。

 

後ろ

小池千枝先生 文化式原型45アームホールを整理したトワル(後ろ)

 

トワルの後ろは、肩甲骨のシワがなくなりました。

アームホールのおさまりも、よくなりました。

 

小池千枝先生 文化式原型46アームホールを整理したトワル(前)

 

トワルを脇から見ると、下に落ちてくれているのがわかります。

胸ぐせをアームホールに逃がしたので、アームホールが少し浮いています。

この原型はノースリーブには向きませんが、シャツ原型として使うことができます。

 

まとめ

小池千枝先生 文化式原型36胸を強調しない(ダーツを取らない)原型

 

上の原型は、

  • 一点鎖線・・・1984年版文化式原型
  • 実線・・・・・胸を強調しない(ダーツを取らない)原型

です。

胸を強調しない原型のアームホールの長さは、

  • 前・・・21.2cm
  • 後ろ・・22.0cm

でした。

今回は1984年版文化式原型を使って、胸を強調しない原型を作りました。

その手順は、

  1. 脇線は前中心線と後ろ中心線に平行にする
  2. 前身頃のウエストラインを脇線に垂直に伸ばす
  3. 前後のウエストラインを合わせて前身頃のアームホールの底を下げる
  4. 肩線を前に1.5cm移動する
  5. 前肩と後ろ肩の長さを同じにする
  6. アームホールを整理する

です。

文化式ボディは、ヌードボディです。

そして文化式ボディは、細身で胸も小さいように見えます。

しかし工業用のボディよりも、胸ぐせ量を多く処理しないと形になりません。

ヌードボディは工業用ボディに比べて、凹凸感がはっきりしています。

小池千枝先生が、ヌードボディで服を作りなさいと言った意味がよくわかります。

原型シリーズ6に続く・・・

 

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