小池千枝先生 第10回

年が明け文化服装学院では、第66回装苑賞、第29回デザイン大賞遠藤賞、並木賞の公開審査会が行われました

 

ファッションコンテストの季節

小池千枝先生31小池千枝先生
「小池千枝 ファッションの道」より
ISBN4-579-30334-2

 

私は、

  • 装苑賞2作品
  • 遠藤賞1作品
  • 並木賞1作品

に、ノミネートされていました。

そして第29回並木賞佳作を、受賞することができました。

文化服装学院で学び始めて、9ヶ月が経っていました。

佳作でしたが、まずまずの結果でした。

小池千枝先生は、私の結果に大変喜んでくださいました。

担任の先生を通して小池千枝先生は、
「佐藤さんが良ければ、新年度が始まっても半年くらい文化に通いませんか?」
と言ってくださいました。

私は小池千枝先生のお言葉を、大変ありがたく受け止めさせていただきました。

しかし装苑賞に専念したいとの思いもあり、辞退させていただきました。

すると、
「装苑賞のトワルチェックや、わからないことがあったら自由に文化服装学院に来てくださいね。」
と小池千枝先生は言ってくださいました。

感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

小池千枝先生のご自宅

卒業も近づき、ファッション工科専攻科の学生と担任の先生、副担任の先生と一緒に、小池千枝先生のご自宅を訪問することになりました。

小池千枝先生のご自宅の、最寄駅で待ち合わせをしました。

駅近くのスーパーでお昼ご飯の材料を買って、小池千枝先生のご自宅に向かいました。

小池千枝先生のご自宅までは、急な坂道が延々と続きます。

とても疲れた様子の私たちに、担任の先生が、
「小池千枝先生は、この道を毎日往復しているんですよ!」
と教えてくださいました。

私たちの足取りは、自然と早くなりました。

小池千枝先生のご自宅では、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

その中で、特に思い出に残っている事を書いてみます。

 

梅の木

小池千枝先生32 梅の花私の家にある梅の木

 

小池千枝先生のご自宅には、庭に梅の木がありました。

とても見事な花が、咲いていました。

数年前私は、何気なく梅の木を1本買いました。

小池千枝先生のご自宅の梅の木のことが、ずーっと記憶にあったのでしょう。

クラスのみんなは、梅の木の周りで花を見たり、香りを楽しんでいました。

梅の季節になると、25年前の記憶が鮮明に蘇ります。

 

使われて古くなっていくことの美しさ

小池千枝先生は常に、
「新しくてきれいなことだけが美しいのではありませんよ。使うことで、古くなっていく美しさもあるのですよ。」
と指導されていました。

小池千枝先生のご自宅には、古いけれど美しいものがたくさんありました。

ただ飾ってある物ではなく、日常で使われて古くなっていった物たちです。

小池千枝先生の生活の一端を見せていただき、小池千枝先生の指導を実感することができました。

「使われて古くなっていくことの美しさ。」
この言葉の中に、ファッションデザイナーのあり方が隠れているように思います。

第11回につづく・・・