小池千枝先生 第5回

小池千枝先生の特別授業が、始まりました。
専攻科の学生は、いつにもまして真剣です。    

 

小池千枝先生特別授業

小池千枝先生15小池千枝先生 1995年1月16日

 

小池千枝先生は、おっしゃいました。

「平野で育った学生は、色彩が豊かです。
四季とともに溢れる色彩の中で育ったので、色彩に敏感になるのでしょうね。」

「一方、山で育った学生は、立体造形力が育ちます。
険しい山々をいつも見ていると、エッジの効いた立体的な造形力が豊かになるのでしょうね。」

「色彩豊かな画家なんかは、割合平野育ちの人が多い。」

「私なんかは山で育ちましたから、色彩というよりは立体造形が得意になりました。
日本のファッションデザイナーは服を立体的に捉える力が、ヨーロッパのデザイナーに比べて弱いですね。」

 

山形県の庄内地方

小池千枝先生16 加茂水族館 鳥海山加茂水族館から日本海越しに鳥海山を望む

 

私は、ショックでした。

私は、山形県の庄内平野で育ちました。

服を立体的に作りたいのに、平野で育った時点で立体に向いていません。

しかし、庄内平野は

  • 北に鳥海山
  • 東に出羽三山

を望みます。

毎日目にしていた景色は意識から遠のいて、無意識になってしまいます。

のちに私は、平野の中で育ち、雄大な山々を眼前にして育ったのだということに気づきました。

恵まれた、環境だったのかもしれません。

 

花の9期生

また小池千枝先生は、

「デザイン科の9期生は、花の9期生と呼ばれています。
あなたたちは、専攻科の9期生です。」

「あなたたちも、花の9期生と呼ばれるように頑張りなさい。」

と励ましてくださいました。

そのときは、詳しいことはわかりませんでした。

しかし、
高田賢三さんたちみたいに、活躍できるよう頑張ろう。」
と思いました。

 

石の授業

小池千枝先生17 石の授業小池千枝先生の「石の授業」

 

文化服装学院では、ファッション工科基礎科に入学した学生が、小池千枝先生の授業を受けます。

石の授業」です。

私も特別に、「石の授業」に参加させていただきました。

個性の授業でした。

石の授業で、実際に私たちがすることは、

  1. 好きなところから、自分の好きな石を拾ってきます
  2. A4サイズのケント紙に、石のスケッチをします
  3. ケント紙には、タイトルも入れます
  4. 拾った石はシーチングでくるみ、糸でまつります

このように作った「作品」を、提出しました。

私は多摩川の河川敷で、細長い石を拾いました。

その石を、バイアスに裁断したシーチング一枚で包みました。

タイトルは「転がる石」という、ベタなものでした。

小池千枝先生は一言、
つまんないわね、次頑張んなさい。
とおっしゃいました。

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