優雅なエレガンス ジャンヌ・ランバン

19世紀末から20世紀初頭に活躍した、ファッションデザイナー。
今回は、ジャンヌ・ランバンを取り上げます。

 

ジャンヌ・ランバン

ジャンヌ・ランバン05ケープ、ドレス ジャンヌ・ランバン 1937年
「文化学園服飾博物館ヨーロピアン・モード」より

 

  • ケープ、ドレス
    ジャンヌ・ランバン
    1937年
    半円形のケープ
    衿回りから裾にかけて数種類の織地をはめ込み
    色使いや文様にオリエント風の雰囲気

ジャンヌ・ランバン

  • 1867年 フランスのパリ6区マザリヌ通り35番地に生まれる(1月1日)
  • 1888年 帽子店をパリのフォーブル・サントノーレ22番地に開業
  • 1909年 婦人服の製作を始める
  • 1925年 香水部門を設立
  • 1926年 紳士服部門を設立
  •      レジオン・ドヌール勲章 シュバリエ受章
  • 1927年 香水「アルページュ」を発表
  • 1937年 パリ・オートクチュール協会の会長を務める
  • 1938年 レジオン・ドヌール勲章 オフィシエ受章
  • 1946年 死去(7月6日)

 

ランバン・ブルー

アール・デコ・スタイル04 ジャンヌ・ランバンイブニング・ドレス ジャンヌ・ランバン 1920年
「文化学園服飾博物館ヨーロピアン・モード」より

 

  • イブニング・ドレス
    ジャンヌ・ランバン
    1920年
    前時代のスタイルを引き継いだ丈長なスタイル
    真珠貝のスパングル
    極小のパール
    オリエンタルな文様

ロマンティックでエレガントなドレスを得意としたジャンヌ・ランバンは、青を好んで使いました。

この青は、「ランバン・ブルー」と呼ばれました。

ジャンヌ・ランバンは布地を染色する事により、

  • ランバン・ブルー
  • アーモンド・グリーン
  • 琥珀色

など、絶妙な色彩を作り出し人々を魅了しました。

 

異国趣味

ジャンヌ・ランバン02イブニング・ドレス ジャンヌ・ランバン 1920年代前半
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • イブニング・ドレス
    ジャンヌ・ランバン
    1920年代前半
    黒の絹タフタ、レース、シフォンによるワンピース・ドレス

    シルバーのビーズ
    ラインストーン
    エメラルド・グリーンのラインストーンによる刺繍
    スカート部は8枚接ぎ
    それぞれのパーツにアズテック風幾何学模様の刺繍

ジャンヌ・ランバンは、東洋的なシルエットや民族的なディテールをいち早く取り入れました。

そして古い美術や絵画からインスピレーションを受けた、エレガントなスタイルを確立しました。

このドレスはジャンヌ・ランバンが好んで用いた、「ローブ・ド・スティル」と呼ばれるドレスの典型です。

1920年代の異国趣味と、アール・デコの色彩感覚を見事に凝縮しています。

大きく広がる黒のスカートに、アズテック(アステカ)美術に見られるような円形模様が銀色で浮かび上がります。

ジャンヌ・ランバンは、優雅で上品な「ローブ・ド・スティル」を作り続けました。

「ローブ・ド・スティル」は、

  1. 両脇が膨らんだスカート
  2. レースや刺繍を多用した豪華な装飾

を特徴とします。

これらのドレスは、モダンでボーイッシュなファッションに馴染めなかった顧客たちの支持を得ました。

 

優雅で装飾的なエレガンス

ジャンヌ・ランバン03イブニング・ドレス ジャンヌ・ランバン 1934年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    ジャンヌ・ランバン
    1934年
    黒の麻の平織

    ワンピース・ドレス
    格子状にパイエットによる刺繍
    アンダードレスはクレープ・デ・シン

ジャンヌ・ランバンは、常に優雅で装飾的なエレガンスを求めました。

このドレスでも、

  1. きらびやかな刺繍
  2. 長いトレーン

があるにもかかわらず、透けるような地布の風合いによって軽やかさが表現されています。

1930年代ジャンヌ・ランバンは、自身のアトリエを構えて既に半世紀近く経過していました。

ジャンヌ・ランバンは、パリの大メゾンとして揺るぎない地位を確立していました。

 

ドイツ占領下のジャンヌ・ランバン

ジャンヌ・ランバン06スーツ ジャンヌ・ランバン 1940年代前半
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • スーツ
    ジャンヌ・ランバン
    1940年代前半
    ベージュのウールの変わり織ツイル

    ジャケットとスカートのセット
    ポケットにトラプントと釦飾り

第二次大戦中、パリはドイツに占領されました。

パリが解放されたのは、1944年でした。

休業や移転するメゾンが、続出しました。

パリに残留したメゾンは細々と活動を続けましたが、オートクチュール産業そのものの存続が危ぶまれました。

また、材料不足も深刻で、活発な創作活動は思うにできませんでした。

このテイラード・スーツは、

  • 水平に張り出した広い肩
  • 膝丈スカート

という、40年代の典型的なスタイルです。

このスーツに見られる、

  • トラプント(イタリアのキルトの技法)
  • 美しいスカートの接ぎ

は老舗の誇りを感じさせます。

 

まとめ

ジャンヌ・ランバン04イブニング・ドレス ジャンヌ・ランバン 1937年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    ジャンヌ・ランバン
    1937年
    黒のベルベット
    袖にリボン付き
    袖と衿ぐりのストラップに後ろあき

ジャンヌ・ランバンは、シャネルなどに比べると地味な印象を受けます。

革新的というよりも趣味のいい作風が、地味な印象につながっているようです。

改めてジャンヌ・ランバンの作品を見ると、本当にエレガントです。

服の完成度が、非常に高いです。

ジャンヌ・ランバンは休むことなく、長い時代に渡り服を作りました。

本当にすごいことです。

ブランドも継続されています。

ファッションデザイナーの見本として、ジャンヌ・ランバンはもっと語られるべきです。

 

ジャンヌ・ランバンについては、以下も参考にしてください。