展覧会で、ジャック・ファットの服を見る機会はとても多いです。
しかしジャック・ファットの服が格好良く見えたことは、ほとんどありません。
ジャック・ファット
スーツ ジャック・ファット 1940年代前半
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1
- スーツ
ジャック・ファット
1940年代前半
紺のウール・フラノのジャケットとスカート
縁取りはベルベット
前スカートにプリーツ
ジャック・ファット(Jacques Fath)
- 1912年 フランスに生まれる(9月6日)
- 1937年 ラ・ボエシー街にメゾンを開設
- 1939年 従軍のため一時閉店
- 1940年 ナチス・ドイツ占領下のパリのフランソワ1世街に再びメゾンを開く
- 1946年 アメリカの企業と契約し、サイズ別の既製服を大量生産した最初のクチュリエとなる
- 1954年 死去(11月13日)
- 1957年 メゾンを閉鎖
イラストレーションの中のジャック・ファットの服
イブニング・ドレス ジャック・ファット 1949年
「100 years of Fashion Illustration」より
ISBN978-1-85669-462-9
- イブニング・ドレス
ジャック・ファット
イラストレーター:Bernard Blossac
1949年
ジャック・ファットの服は、たくさんのイラストレーションになっています。
そのイラストレーションは、とても格好良いものが多いです。
ここにあげたBernard Blossac以外にも、ルネ・グリュオーもイラストレーションを手がけています。
イラストレーションになったジャック・ファットの服は、シルエットにメリハリがあり格好良く見えます。
一般的なジャック・ファットの評価
イブニング・ドレス ジャック・ファット 1953年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
- イブニング・ドレス
ジャック・ファット
1953年ころ
白の木綿ピケに黒の水玉プリントのワンピース・ドレス
黒のパイピングの装飾
ボディスには5本のボーンが裏打ちされている
ジャック・ファットの一般的な評価を、以下に記します。
1937年にパリでオートクチュールのアトリエを開いたジャック・ファットは、40年には早くも人気メゾンになりました。
第二次大戦後、米国における既成服の展開で成功を納めました。
ジャック・ファットは、
- 優美な50年代ファッションに軸足を置きながら
- 「Alternative(伝統にとらわれない)」と評された
カジュアルな持ち味が特徴の、ファッションデザイナーでした。
まとめ
スーツ ジャック・ファット 1950年代中頃
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」
- スーツ
ジャック・ファット
1950年代中頃
行動的なスーツにおいても女性的なラインが追求された
シルエットはファンデーションによって支えられ、形作られた
以下は、私のジャック・ファットに対する感想です。
ジャック・ファットの服は、カッティングに無理があるように私には見えます。
この無理なカッティングが、私には窮屈そうに見えてしまうのです。
ジャック・ファットは、第二次世界大戦の前後に活躍したファッションデザイナーです。
「時代的にしかたがないのかな。」
と残念な気持ちになってしまいます。