18世紀と19世紀の女性のジャケット・スタイル

「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」を見ていたら、ジャケット姿が点在していました。
今回は、ジャケット・スタイルを紹介します。

 

女性用ジャケットの登場

ジャケット・スタイル02 1790年ころジャケットとペティコート 1790年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • ジャケットとペティコート
    1790年ころ
    フランス
    赤と白の縞柄の絹平織のジャケット
    折り返り衿
    10個の銀色の金属釦留め
    袖口の釦は欠損
    リノン(麻のような質感の綿平織寒冷紗)製のペティコート
    絹の多色の花柄刺繍入り

18世紀の後半にフランスで、

  • 田園生活を愛し
  • 自然の中で狩りに興ずる

イギリス趣味が流行しました。

1770年代以降には、服装の簡素化に拍車がかかりました。

すると、

  • 乗馬や旅行用として男性服に流行していた衿付の外套「ルダンゴト」
  • ボタン留めのジャケット

などが女性服に取り入れられました。

 

ピエロ

ジャケット・スタイル04 1790年ころジャケット(ピエロ) 1790年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ジャケット(ピエロ)
    1790年ころ
    フランス
    グリーンと黄色の絹タフタとサテンの縞織
    絹フリンジ飾り

このジャケットは、ピエロと呼ばれました。

ピエロは、

  1. 丈が短く
  2. ぴったりと細身
  3. 後ろに短い垂れ

が付いています。

ピエロは、1780年代中頃から1790年代にかけて流行しました。

これらの軽快なジャケットは、軽やかな白いリノン(麻のような質感の綿平織寒冷紗)製のスカートと組み合わされました。

 

乗馬服(アマゾーヌ)

ジャケット・スタイル05 乗馬服  1810年ころ乗馬服(アマゾーヌ) 1810年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 乗馬服(アマゾーヌ)
    1810年ころ
    フランス
    黒のウールのブロードクロス
    ツーピース・ドレス
    テーラード・ジャケットと乗馬に適した丈長のスカート

この乗馬服は、アマゾ−ヌと呼ばれました。

アマゾーヌは、

  1. テーラード仕立てのぴったりとしたジャケット
  2. 長尺のスカート

が組み合わされていました。

女性の乗馬は正式には20世紀の初めまで、

  1. 馬にまたがらず
  2. 横乗りの騎乗
  3. スカート着用

がマナーでした。

乗馬服には男性服の要素が取り入れられましたが、ズボンは禁止されていました。

 

スペンサー

エンパイア・スタイル05 乗馬スタイル左・男性用ジャケット、ブリーチズ 1815年ころ
右・狩猟用ジャケット、ペティコート 1815年ころ
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 


  • 男性用ジャケット(フロック・コート)、ブリーチズ
    1815年ころ

    ジャケットは紺のウールのブロードクロス
    前裾はウエストで水平にカットされ、後ろにテール付き
    ブリーチズはベージュのバックスキン

  • 女性用狩猟ジャケット(スペンサー)、ペティコート
    1815年ころ

    ジャケットは紺のウールのブロードクロス
    ペティコートは白の綿ローンに共布のテープと綿モスリンのはめ込み

エンパイア・スタイルの透けるほど薄い木綿素材は、ヨーロッパの冬には寒すぎました。

そこで実用的な、

  • イギリス風スペンサー
  • ルダンゴト

などテーラード仕立ての上着が流行しました。

これらの上着類には、ナポレオン軍からの流行が多く見られました。

 

テニス用スーツ

19世紀終わりから20世紀初めのスポーツウェア02テニス用スーツ 1890年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • テニス・スーツ
    作者不詳
    1890年ころ
    白い綿のピケ
    タイトなテーラード・ジャケット
    足首丈のプレーンなスカート

19世紀の後半、

  • 女性の地位向上
  • 権利拡張

が提唱され始めました。

それに伴い、女性の活動範囲が広がっていきました。

余暇の拡大や鉄道などの交通機関の発達に伴い、

  • スポーツ
  • 旅行

が盛んになりました。

女性は次第に、

  • 合理的
  • 機能的

という概念を服に取り入れていきます。

 

まとめ

ジャケット・スタイル03 1790年ころジャケット 1790年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ジャケット
    1790年ころ
    フランス
    ピンクの絹タフタ
    衿ぐりはドロー・ストリング
    紐締めのウエスト・ベルト
    背中央にボーン入り

女性のジャケットの流行は、18世紀末と19世紀末におこっています。

世の中が、大きく変わる時代でした。

そして、

  • 田園生活を愛し
  • 自然の中で狩りに興ずる
  • 乗馬
  • 防寒
  • スポーツ
  • 旅行

が流行するとき、ジャケットが着用されました。

20世紀末には、女性が社会進出するときに肩の大きなジャケットが流行しました。

ジャケットの流行には、大きな意味がありそうです。

 

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