1890年代〜1980年代のファッション

今まで、写真で1890年代から1980年代のファッションを見てきました。
今回は、1890年代から1980年代のファッションの流れを見ていきます。

 

1890年代のファッション

シャルル・フレデリック・ウォルト06ディナー・ドレス
シャルル・フレデリック・ウォルト 1892年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • ディナー・ドレス
    シャルル・フレデリック・ウォルト
    1892年ころ
    菊柄の入ったオフホワイトの絹サテン
    ベルベットのレッグ・オブ・マトン袖
    袖口とスタンド・カラーにレースの装飾

1890年代になると、アール・ヌーヴォー・スタイルが流行します。

1900年代のアール・ヌーヴォー・スタイルと比べると、布地に厚みがあります。

袖は、ロマンティック・スタイルで流行したジゴ袖が復活しました。

このドレスは、シャルル・フレデリック・ウォルトの晩年の作品です。

 

1900年代のファッション

ジャック・ドゥーセ02イブニング・ドレス ジャック・ドゥーセ 1903年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    ジャック・ドゥーセ
    1903年ころ
    黒い絹レースにビーズ刺繍とベルベットの装飾
    袖は絹シフォンに絹レースのはめ込み
    金色のグログラン・リボンのベルト付き

1900年代になると、

  • レース
  • ボイル
  • シフォン

などの柔らかく透ける素材を用いて、はかなげなドレスがつくられました。

ジャック・ドゥーセは、ベル・エポック期を代表するファッションデザイナーです。

 

1910年代のファッション

ポール・ポワレ04 ソルベソルベ ポール・ポワレ 1912年
「100years Fashion Illustration」より
ISBM978-1-85669-462-9

 

  • ソルベ
    ポール・ポワレ
    1912年
    ポワレのランプシェード・チュニック
    ガラス・ビーズを刺繍した絹シフォンと絹サテン
    チュニックのヘムにワイヤー入り
    ヘムに黒い狐のファーをトリミング

1910年代には、誇張のないシルエットが主流となりました。

ウエストラインは、やや高い位置に置かれました。

スカートは大きく広がらず、ほっそりとした直線的なシルエットになりました。

ソルベは、1900年代後半から1910年代前半に大活躍したポール・ポワレの作品です。

 

1920年代のファッション

1920年代のファッション03 キャロ姉妹イブニング・ドレス キャロ姉妹 1922年冬
「ファッションとアート 麗しき東西交流」図録より

 

  • イブニング・ドレス
    キャロ姉妹
    1922年冬
    金・銀ラメで草花文様を織り出した絹ブロケードのワンピース・ドレス
    ビーズ刺繍
    ウエスト中央と肩ストラップにビーズのタッセル飾り
    トレーン付き

第一次世界大戦が終わってから世界恐慌が起こるまでの1920年代を、

  • アメリカでは、「ローリング・トゥエンティーズ」
  • フランスでは、「レザネ・フォル」

と呼びます。

いずれも、「狂乱する時代」と言った意味です。

本格的な大衆消費社会が花開き、アール・デコ・スタイルが流行しました。

キャロ姉妹は、金銀のラメ使いにセンスを発揮しました。

 

1930年代のファッション

マドレーヌ・ヴィオネ07ドレス マドレーヌ・ヴィオネ 1930年代
「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」
ISBN978-4-7661-2374-6

 

  • ドレス
    マドレーヌ・ヴィオネ
    1930年代
  • 左のドレス
    ホワイト・アーミンで縁取り
    黒いベルベット
  • 右のドレス
    白いクレープ織りのボディス
    パン・ベルベットのスカート

世界恐慌により不況の時代を迎えると、穏やかで流れるようなシルエットが好まれました。

スカート丈は、再び長くなりました。

イブニング・ドレスは、肩や背中の美しさを強調するデザインが多く見られました。

マドレーヌ・ヴィオネは1930年代、バイアス・カットを駆使して美しいドレスを作りました。

 

1940年代のファッション

クリスチャン・ディオール12 ニュールックバースーツ クリスチャン・ディオール 1947年春夏
「100 years of Fashion Illustration」より

 

  • バースーツ
    クリスチャン・デイオール
    1947年春夏
    「ニュー・ルック」

第二次世界大戦の後も、統制経済はしばらく続きました。

そのような状況で1947年にクリスチャン・デイオールが、「ニュー・ルック」を発表しました。

  • なだらかな
  • 細いウエスト
  • 優雅に広がったスカート
  • 華奢なハイヒール

は、モードの復活を確信させました。

 

1950年代のファッション

クリストバル・バレンシアガ06コート クリストバル・バレンシアガ 1955年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • コート
    クリストバル・バレンシアガ
    1955年
    ピンクの太い畝が特徴の絹オットマン
    コード巻き釦

1950年代に入ると、モード産業は再び活気を取り戻しました。

しかし1950年代前半のスタイルは、ファンデーションによって補正された窮屈なものでした。

1950年代半ばからは、身体を締め付けずに女性らしさを表現する新しいスタイルが追求されました。

クリストバル・バレンシアガが打ち出した、「セミ・フィッティド・ライン」は活動しやすさと美しさを兼ね備えていました。

 

1960年代のファッション

1960年代のファッション04 アンドレ・クレージュドレス アンドレ・クレージュ 1967年ころ
「FASHION A History from the 18th to 20th Century」より

 

  • ドレス
    アンドレ・クレージュ
    1967年ころ
    黒の綿ウール
    白い同素材で装飾
    前中心にプラスチックのファスナー

1960年代のモード界は、

  1. 戦後世代の若者達が発する旧来の格式や慣習への反動
  2. アメリカから持ち込まれた大衆物質文化

の波にのみ込まれました。

1960年代半ばには、モード産業の主流はプレタポルテになりました。

アンドレ・クレージュのミニ・ドレスは、大衆ファッションとトップ・モードの呼応を象徴しています。

 

1970年代のファッション

イヴ・サンローラン07 スモーキングパンツ・スーツ イヴ・サンローラン 1975年秋冬
「YVES SAINT LAURENT」より
ISBN978-0-8109-9608-3

 

  • パンツ・スーツ
    イヴ・サンローラン
    1975年秋冬オートクチュール
    グレーのストライプが入ったウール
    写真:ヘルムート・ニュートン

1973年にプレタポルテのファッションデザイナーたちは、オートクチュールの方式を取り入れて年2回のコレクションを開催しました。

1970年代の服は、自然回帰へと向かいました。

  • ヒッピー
  • フォークロア・ファッション

が流行し、ジーンズが世界に広がりました。

イヴ・サンローランは、オートクチュールとプレタポルテを初期から展開しました。

 

1980年代のファッション

1980年代のファッション06 ジャン=ポール・ゴルチエドレス ジャン=ポール・ゴルチエ 1987年春夏
「FASHION 18世紀から現代まで」より
ISBN978-4-88783-282-4

 

  • ドレス
    ジャン=ポール・ゴルチエ
    1987年春夏
    赤い絹サテン、ナイロン、ライクラの交織のワンピース・ドレス
    脇から後ろ身頃はナイロン・エラスティックの透かし編み

1980年代は、保守回帰の流れがありました。

1980年代は、「パワー・ドレッシング」と呼ばれるスタイルを装いました。

この流れは1960年代のファッションに特長づけられる、ボディ・コンシャスという意識の再浮上にもつながりました。

1980年代のボディ・コンシャスの流行の中で、ジャン=ポール・ゴルチエはあらゆる過去の下着を表装に変換しました。

 

それぞれの時代の詳しいファッションは、以下を参考にしてください。

ロココ・スタイルからアール・デコ・スタイル」を読むと、より長いファッションの歴史の変化がわかります。

 

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