エスプリディオールで見たトワル

ブランドが開催する展覧会は、見応えがあるものが多いです。
「エスプリディオール」も、実に素晴らしい展覧会でした。

 

エスプリディオール

クリスチャン・ディオール01 トワルトワル
「エスプリディオール」より

 

エスプリディオール

  • 開催期間:2014年10月30日~2015年1月4日
  • 開催時間:10:30-20:00
         (最終入場時間19:30)
  • 休館日 :2014年12月11日(木)、2015年1月1日(木)
  • 開催会場:東京都中央区銀座玉屋ASビル
  • 入場無料

 

トワルの展示

クリスチャン・ディオール02 トワルドレスのトワル
「エスプリディオール」より

 

私が特に気になったのは、トワルの展示でした。

ディオールのトワルは、不織布でできていました

トワルをこんなに展示する展覧会は、本当に珍しいです。

仮縫い用のトワルを何で作るかは、ファッションデザイナーやアトリエの考え方によるところが大きいです。

シーチングで、仮縫いをするアトリエ。

「シーチングなんかで仮縫いするな!」
と言って、実物に近い布にハサミを入れるファッションデザイナー。

いろいろな条件や考え方があって、トワルの素材もアトリエによってさまざまです。

 

芯で土台を作った

クリスチャン・ディオール03 トワルトワル
「エスプリディオール」より

 

ディオールのオートクチュールのトワルが不織布でできていることが、私には意外でした。

しかしムッシュ・ディオールは、

芯で土台を作って、その上にまとめ上げた造形力のおかげで、モードを規範に導いた。

「All About Yohji Yamamoto」より引用
ISBN978-4-579-30446-2

と山本耀司に言わせたファッションデザイナーです。

そう考えれば、トワルを不織布で作るのも自然かもしれません。

 

こんな逸話があります

クリスチャン・ディオール04 トワルコートとジャケットのトワル
「エスプリディオール」より

 

このトワルは、ラフ・シモンズのデザインによるものです。

しかしディオールには、
「ディオールとしてのアトリエの伝統」
があります。

文化服装学院の担任の先生に、こんな話を聞いてことがあります。

先生の同級生が、ディオールでファッションデザイナーとして働いていたときのことです。

先生の同級生が描いたデザイン画を、ディオールのアトリエの人が持って行きました。

数日後、
「君がデザインした服だよ。」
とアトリエの人に、サンプルを見せられました。

先生の同級生は、どこが自分のデザインなのかわからなかったそうです。

その服は、ディオールの服になっていました。

オートクチュールのアトリエには、誰も揺るがすことができない、伝統と誇りがあるのでしょう。

 

まとめ

クリスチャン・ディオール05 型紙型紙の修正
「エスプリディオール」より

 

エスプリディオールのトワルを見て、山本耀司の言葉や担任の先生の言葉を思い出しました。

服のシルエットの作り方の見本として、とても貴重な展示でした。