エルテとファッションとの関係

1990年ころ、エルテの名前が急に有名になりました。
それまで知らなかったエルテが、毎月のように雑誌に載るようになりました。

 

エルテ

エルテ02「ポール・ポワレのためのデザイン」 エルテ 1914年
「100 years of Fashion Illustration」より
ISBN978-1-85669-462-9

 

  • 「ポール・ポワレのためのデザイン」
    エルテ

    1914年
    インクと水彩

エルテ

本名:ロマン・ドゥ・ティルトフ

  • 1892年 ロシアのペテルスブルグで、生まれる(11月23日)
  • 1912年 美術の勉強のためにパリへ行く
  • 1913年 ポール・ポワレの元で働き始める
        (-1914年)
  • 1915年 「ハーパーズ・バザー」誌に、表紙デザインを提供
  • 1925年 ハリウッドのMGMと契約、映画セットも制作
  • 1970年 フランス政府より、芸術文化功労勲爵士の称号を授与される
  • 1976年 フランス政府より、芸術文化功労の称号を授与される
  • 1977年 ニューヨークにて、ジークフェルド優秀賞を受賞
  • 1978年 ニューヨークにて、ユージン・オニール基金賞を受賞
  • 1982年 パリ市ヴェルメイユ賞を受賞
  • 1985年 フランスのレジョン・ド・ヌールを受賞
  • 1989年 ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの名誉博士号を与えられる
  • 1990年 死去(4月21日)

 

エルテが活躍した分野

エルテ03「ポール・ポワレのためのデザイン」 エルテ 1914年
「100 years of Fashion Illustration」より

 

  • 「ポール・ポワレのためのデザイン」
    エルテ

    1914年
    インクと水彩

エルテが活躍した分野は、多岐に渡りました。

主な分野だけでも

  • ファッション
  • ジュエリー
  • グラフィック・アート
  • 衣装
  • 舞台美術
  • インテリア装飾

など、幅広い分野で活躍しました。

 

エルテとハーパーズ・バザー

エルテ05エルテ 1933年
「100 years of Fashion Illustration」より

 

  • エルテ
    ” ハーパーズ・バザー ” 1933年5月号
    表紙

エルテは、「ガゼット・ドゥ・ボン・トン」などの高級ファッション誌でイラストレーターとして活躍していました。

エルテは、1915年から「ハーパーズ・バザー」誌の表紙にイラストを提供し始めました。

1915年から1937年の間にエルテは、「ハーパーズ・バザー」誌の200以上の表紙をデザインしました。

1936年ころから「ハーパーズ・バザー」誌の表紙デザインを、カッサンドルが担当するようになりました。

エルテは、

  • 「イラストレイテド・ロンドン・ニュース」
  • 「コスモポリタン」
  • 「レディーズ・ホーム・ジャーナル」
  • 「ヴォーグ」

などのファッション誌にもイラストレーションを描いていました。

 

エルテとアール・デコ

エルテ04エルテ 1933年
「100 years of Fashion Illustration」より

 

  • エルテ
    ” ハーパーズ・バザー ” 1933年6月号
    表紙

アール・デコ期になるとエルテは、舞台衣装、舞台美術の世界で活躍しました。

ハリウッドの映画会社MGMとも契約するなど、エルテは時代の寵児となりました。

エルテは、

  • 「ベン・ハー」
  • 「からくり四人組」
  • 「Time, the Comedian」
  • 「Dance Madness」

といった映画でデザインを担当しました。

以前ジョルジュ・バルビエについての記事で、

1920年代 (ジョルジュ・バルビエが)エルテとともに、舞台、映画の衣装や舞台装置のデザインに進出

と書きました。

 

エルテと東方

エルテ06エルテ 1935年
「100 years of Fashion Illustration」より

 

  • エルテ
    ” ハーパーズ・バザー ” 1935年9月号
    表紙

エルテは東方世界に着想を得た、

  • 幻想的
  • 耽美的

な作風が注目されました。

エルテが演出する、

  • 異国的
  • 妖艶な

女性像は、東方的なイメージが社会にひろく浸透するうえで重要な要因の一つとなりました。

 

まとめ

エルテ07イブニング・コート エルテ 1925年ころ
「ファッションとアート 麗しき東西交流」図録より
ISBN978-4-89737-894-7

 

  • イブニング・コート
    エルテ
    1925年ころ
    フランス
    白いコットン・ボイルに黒と銀色のビーズ、銀色のパイエット刺繍で蓮の花と水紋柄を全面に装飾
    衿は綿入り

1990年に、エルテが亡くなりました。

このころ、雑誌にはエルテの作品がたくさん掲載されました。

特に印象に残っているのが、ブロンズのフィギュアでした。

バブルの時代だったので、お金儲けの印象しかありませんでした。

1990年ころのエルテの印象は、私には少し残念なものでした。

あれから、30年近く経ちました。

エルテの作品を、素直な目で見たいと思いました。

 

20世紀のアートとファッションの関係は、以下も参考にしてください。