グラフィックデザイナーのエーリク・ブルーン

昨年フィンランド・デザイン展を観たとき、エーリク・ブルーンのポスターが印象的でした。
フィンランドのグラフィックデザイナー、エーリク・ブルーンのポスターを紹介します。

 

エーリク・ブルーン

エーリク・ブルーン02エーリク・プルーン
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

エーリク・プルーン(Erik Bruun)

  • 1926年 フィンランドのヴィープリに生まれる(4月7日)
  • 1945年 軍の召集を受け
         そこからヘルシンキの芸術デザイン大学の夜学へ通う
  • 1947年 全日制への転学を許可される
         「カウニス・コティ誌」の表紙画コンペで優勝
  • 1951年 スオメン・イルモイトゥスケスクス社に勤務
  • 1953年 独立してフリーの広告デザイナーになる
  • 1963年 オジロワシを描いたポスターをデザイン
  • 1966年 写真家マッティ・サーニオの本「黒い冬、白い夏」を装丁
  • 2001年 ヘルシンキ芸術デザイン大学名誉教授
  • 2004年 スオミ賞を受賞
  • 2007年 フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル受章
  • 2011年 ルオンノタール賞を受賞
  • 2012年 ヘルシンキ市デザイン賞を受章

 

フィンランドの自然からの贈り物

エーリク・ブルーン03 ヤッファ・パームツリー「ヤッファ・パームツリー」 エーリク・ブルーン 1960年代
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

  • 「ヤッファ・パームツリー」
    エーリク・ブルーン
    1960年代
    ハートウォール社のポスター
    リトグラフ
    100×70cm
    みずみずしい果実を描いたこの作品は、エーリク・ブルーンのお気に入り

エーリク・ブルーンは、ヘルシンキの要塞の島・スオメンリンナに暮らしています。

エーリク・ブルーンは、軍事施設の並ぶエリアの黄色い木造の家に住んでいます。

エーリク・ブルーン邸は、自然からの贈り物であふれています。

家や仕事場にある

  • 羽根
  • 小鳥の剥製
  • 貝殻

は、エーリク・ブルーンのポスターやデザインのもとになりました。

 

フィンエアーのロゴを勝手に描いて刷る

エーリク・ブルーン04 北へ「北へ」 エーリク・ブルーン 1965年
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

  • 「北へ」
    エーリク・ブルーン
    1965年
    フィンエアーのポスター
    リトグラフ
    100×63cm
    北極圏を旅したときに思いついたポスター

エーリク・ブルーンは毎年、北極圏に鮭釣りに出かけていました。

エーリク・ブルーンは、言います。

あるとき気づいたんです。
この飛行機は釣り人だらけじゃないかって。
これはポスターになると。

「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」p197より引用

エーリク・ブルーンは夢中で「北へ」のラフを作り、フィンエアーに売り込みました。

しかしフィンエアーには「快適な空の旅を売りたいのに、飛行機が魚臭く思われる」と叱られてしまいました。

「この作品は絶対いい!」と思っていたエーリク・ブルーンは、ポスターをグループ展に出品しました。

エーリク・ブルーンはフィンエアーのロゴを勝手に描いて、ポスターを刷りました。

ポスターはグループ展の人気投票で、1位に選ばれました。

さらにポスターはその年の最優秀作品となり、ついにフィンエアーから「売って欲しい」と連絡がきました。

 

切手と紙幣のデザイン

エーリク・ブルーン05 ハヴィろうそく「ハヴィろうそく」 エーリク・ブルーン 1959-1960年
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

  • 「ハヴィろうそく」
    エーリク・ブルーン
    1959-1960年
    ハヴィ社のポスター
    リトグラフ
    100×70cm
    街に貼られるポスターということで、雑踏に埋もれないデザインにした

エーリク・ブルーンは、いつも絵を描き出します。

その絵に買い手がつくかどうかは、あとで考えます。

エーリク・ブルーンの最近の仕事には、

  • 羽根を描いた切手(2016年)
  • アルクティアというシリーズ切手(2017年)

などがあります。

エーリク・ブルーンの言葉を、以下に引用します。

切手もそう。
今でも「いい作品があるんだけど」って電話するんです。
断られることもある。
持ちかけるのと依頼されるのと、割合は半々かな。

「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」p196より引用

1980年代にエーリク・ブルーンは、

  • 20マルッカ紙幣
  • 500マルッカ紙幣

を、デザインしました。

また、

  • 10マルッカ紙幣
  • 50マルッカ紙幣
  • 1000マルッカ紙幣

の片面をデザインしました。

 

ペンを使って手描き

エーリク・ブルーン06 サイマーワモンアザラシ「サイマーワモンアザラシ」 エーリク・ブルーン 1974年
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

  • 「サイマーワモンアザラシ」原画
    エーリク・ブルーン
    1974年
    自然保護団体のポスター
    インク、他
    100×40cm
    どの家の子供部屋にもあったといわれるポスター

エーリク・ブルーンは、コンピューターを使わないグラフィックデザイナーです。

エーリク・ブルーンの初期のポスターの多くは、リトグラフです。

このことが、エーリク・ブルーンの仕事の仕方に大きく影響しています。

ポスターのフォントも、エーリク・ブルーンはペンを使って手描きします。

高齢のエーリク・ブルーンの手は、普段は震えています。

しかし絵を描くときだけは、手の震えは収まります。

 

まとめ

エーリク・ブルーン07「チョウザメとキャビア」の絵 エーリク・ブルーン
「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」より

 

  • 「チョウザメとキャビア」の絵
    エーリク・ブルーン
    キッチンにあるシンクの扉に描かれた

フィンランド・デザイン展で、エーリク・ブルーンのポスターがとてもよかったです。

そして古い雑誌を眺めていて、「ELLE DECOR No.148 2017年2月号」の中に偶然エーリク・ブルーンの特集を見つけました。

エーリク・ブルーンのポスタを見て、展覧会の感動が蘇ってきました。

エーリク・ブルーンの絵には、手で描いたオリジナリティが溢れています

私が北欧のグラフィックデザインをしっかり見たのは、エーリク・ブルーンの作品が初めてでした。

 

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