エンパイア・スタイルのレティキュール

エンパイア・スタイルの服飾雑貨を、レティキュール(婦人用の手提げ袋)を中心に見ていきます。
どのようなデザインが、流行したのでしょうか。

 

エンパイア・スタイル

エンパイア・スタイル09イラスト 1800年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • イラスト
    ” Gallery of Fashion “
    1800年1月号

革命期の混乱を経て、下着のように見えるシュミーズ・ドレスが大流行しました。

  • コルセット
  • パニエ

などを排除したこのドレスは、白い木綿製でした。

しかし、これらの素材はヨーロッパの冬には寒すぎるものでした。

この絵には、

  1. 帽子
  2. マフ(ハンドウォーマー)

が描かれています。

 

ラウンド・ガウン

エンパイア・スタイル10ドレス(ラウンド・ガウン) 1795-1800年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 


  • ドレス(ラウンド・ガウン)
    1795年-1800年ころ
    フランス
    カーネーションがプリントされた白い麻のドレス
    ウエストにドローストリング
  • 中央
    ドレス(ラウンド・ガウン)
    1795年-1800年ころ
    イギリス
    こげ茶にプリントされた平織りの綿
    白糸刺繍されたモスリンのフィシュー

  • ドレス(ラウンド・ガウン)

    1795年-1800年ころ
    イギリス
    インド紬のモスリン
    絹ガーゼのターバン

1789年のフランス革命と前後して、身頃とスカート部が一続きとなりました。

このドレスは、丸みを帯びた形状からラウンド・ガウンと呼ばれています。

この写真には、

  1. 帽子
  2. フィシュー
  3. ターバン
  4. 手袋

が出てきます。

フィシューとは、婦人用の三角形のスカーフやショールです。

肩にかけて、胸のところで結んで使います。

 

ショール

エンパイア・スタイル11 レティキュールドレス 1803年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • ドレス
    1803年ころ
    黄色い絹タフタのドレス
    花を多色刺繍した黒い絹ネットのショール
    フリンジ付き

この写真には、

  1. 帽子
  2. ショール
  3. レティキュール(婦人用の手提げ袋)

が出てきます。

エンパイア・スタイルでは、カシミア・ショールが流行しました。

カシミア・ショール以外にも、透け感のある繊細なショールが使われていたことがわかります。

 

レティキュール

エンパイア・スタイル13 レティキュールレティキュール 1810年-1815年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • レティキュール
    1810年-1815年ころ
    白の絹サテンに多色で花かごの刺繍
    周囲にフライ・フリンジの飾り

レティキュールは、婦人用の手提げ袋です。

18世紀末から19世紀初めにかけ、ドレスは薄手となり細身のエンパイア・スタイルへと変化しました。

それに伴い、ドレスの内側に着装されていたポケットが消滅しました。

ポケットが使えなくなったため、バッグが多用されるようになりました。

レティキュールは、小型で紐付きのものが多くつくられました。

 

パイナップル

エンパイア・スタイル12 レティキュールレティキュール 1800年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • レティキュール
    1800年ころ
    黄と緑の絹ニット
    パイナップル形
    シルバー・メタル・ビーズの縁飾り
    タッセル付き

パイナップル型に、精巧かつ立体的に編み立てられています。

パイナップルは、ジョセフィーヌ皇妃の出生地のマルティニク島の特産物です。

ファッション・リーダーだったジョゼフィーヌの影響で、熱帯の異国情緒を感じさせるモチーフが流行しました。

 

まとめ

エンパイア・スタイル14 レティキュールレティキュール 19世紀初期
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • レティキュール
    19世紀初期
    金と緑の絹ニット
    市松模様
    下部のメタルのフレームに建物の絵がはめ込まれている
    タッセル付き

エンパイア・スタイルの服飾雑貨は、機能を補うものが多かったようです。

エンパイア・スタイルのドレスの特徴は、

  • 薄いモスリンのような布
  • 細身のシルエット

です。

そのためエンパイア・スタイルのドレスには、

  • 保温性を高めること
  • ポケットの代わり

が必要でした。

  • マフ
  • ショール
  • レティキュール

などが使われたのも、必然だったのでしょう。

 

エンパイア・スタイルについては、以下も参考にしてください。