クリノリン・スタイルのドレス6選

クリノリン・スタイルのドレスを、紹介します。
「クリノリン・スタイルについて調べてみました」で紹介したドレスよりも、美しいドレスです。

 

1840年代

クリノリン・スタイル16デイ・ドレス 1845年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • デイ・ドレス
    1845年ころ
    イギリス
    青と紫のチェンジャブルの絹タフタ
    ワンピース・ドレス
    胸にスモッキング
    両肩に2段のフリル飾り

1830年代には、大きなジゴ袖が流行しました。

しかし1840年代になると、袖はなだらかな肩線から続き腕にフィットした形になりました。

そしてウエストは、さらに細くなりました。

スカートの下には、ペチコートが何枚も重ねられて着用されました。

1840年代の初期には、硬い麻布(lin)に馬の尾毛(crin)を織り込んだペチコート「クリノリン」が考案されました。

 

1850年代

クリノリン・スタイル17デイ・ドレス 1850年代
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • デイ・ドレス
    1850年代
    バレージュ織り(絹が経糸、毛が緯糸)の青と白のストライプ
    パゴダ・スリーブにフリンジ飾り
    6段フラウンスのタックスカート
    長方形のカシミア・ショール

1856年フランス人ミリエによって、金属製の輪を連ねた「かご型」のクリノリンが考案されました。

クリノリン・スタイルが流行った時代には、たくさんの技術革新が起こりました。

  • 1834年 ペロ(仏)、ペロチーヌ捺染機発明
  • 1845年 ハウ(米)、ミシンを実用化
  • 1851年 シンガー(米)、実用ミシンの特許取得
  • 1856年 パーキン(英)、合成染料のモーブを発見

新しい技術が、クリノリン・スタイルにどんどん取り入れられました。

 

プリント技術

クリノリン・スタイル18左:女の子のドレス 1845-1849年 右:デイ・ドレス 1855年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 左:女の子のドレス
    1845-1849年
    刺繍をした白い綿モスリン
    3段フラウンスのスカート
  • 右:デイ・ドレス
    1855年ころ
    イギリス
    絹とウールの交織のオーガンジーにプリント
    クリノリン・スタイルのワンピース・ドレス
    スカートの2段のフラウンスにはボーダー柄
    広がったパゴダ・スリーブにフリンジ飾り

デイ・ドレスの大柄のボーダー柄は、木版プリントによるものです。

大柄のプリントは小柄に比べて版ずれが起こりやすく、高度な技術が必要です。

さらに絹と毛は、捺染が難しい素材です。

このデイ・ドレスの鮮やかなプリントは、捺染技術が飛躍的に発展したことを示します。

 

1860年代

クリノリン・スタイル19デイ・ドレス 1860年代後半
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • デイ・ドレス
    1860年代後半
    ストライプ柄を織り出した白い綿ターラタン
    クリノリン・スタイルのツーピース・ドレス
    赤い絹サテンのリボン、綿レースの装飾
    ベルトは絹サテンのリボン
    前中心にロゼッタ飾り、後中心にリボン飾り
    スカート裾にプリーツとリボンの装飾

このデイ・ドレスは、軽やかな夏のクリノリン・ドレスです。

1860年代には、ターラタン地が流行りました。

ターラタン地は、染色や捺染した後に糊付けした薄地の平織の綿布です。

薄地で張りがあり、クリノリン・スタイルの大きなスカートに適した素材でした。

 

イブニング・ドレス

クリノリン・スタイル20イブニング・ドレス 1864年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    1864年ころ
    フランス
    アイボリーの絹タフタのツーピース・ドレス
    クリノリン・スタイル
    ボディス、ウエスト、スカートの後ろ部分にシュニールのフリンジ飾り
    花と葉の輪と黒の長方形を組み合わせた図柄を刺繍

19世紀には、男性服のデザインは機能的で簡素になっていきました。

対照的に、女性服は装飾的になっていきました。

  • フリンジ
  • タッセル
  • ブレードなどのトリミング装飾(パスマントリー)

には、さまざまに技巧を凝らしたものが登場しました。

 

まとめ

クリノリン・スタイル21室内着 1866年ころ
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • 室内着
    1866年ころ
    イギリス
    ブランド:ジェーン・メイソン
    レーベル:JANE MASON & Co.(Late LUDLAM) 159&160 OXFORD STREET
    赤に黄、黒など多色でカシミア柄がプリントされた綾織のウール
    前面にはウエストの切り替えがなく、スカート部の後ろ側にボリュームのあるシルエット
    共布のくるみ釦で裾まで前あき
    共布のウエスト・ベルト付き

年代ごとにクリノリン・スタイルのドレスを見ましたが、流行の違いがよくわかりました。

1850年代のスカートは、円錐形を強調するようにフラウンスが特徴的です。

また、

  • 1840-50年代のドレスは、ワンピース・ドレス
  • 1860年代のドレスは、ツーピース・ドレス

になっています。

1860年代には軽い鉄製のクリノリンのおかげで、スカートが大型化しました。

1860年代のスカートは、

  • 前のふくらみが減り
  • 後ろ腰のふくらみが残り

ました。

その後、バッスル・スタイルへと変化します。

 

クリノリン・スタイルについては、以下も参考にしてください。