キャロ姉妹 四姉妹のメゾン

19世紀末から20世紀初頭に活躍したファッションデザイナーとして、キャロ姉妹を取り上げます。
キャロ姉妹についての記述は少なく、謎な部分が多いファッションデザイナーです。

 

キャロ姉妹

キャロ姉妹02イブニング・ドレス キャロ姉妹 1908年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より
ISBN978-3-8365-5719-1

 

  • イブニング・ドレス
    キャロ姉妹

    1908年
    黒と紫の絹シャルムーズを接ぎ合わせたツーピース・ドレス
    中国風の花模様を金糸、絹糸で刺繍
    後ろ背の2本の飾り布は、先端にタッセル飾り付き

キャロ姉妹 (Callot Soeurs)は、フランス生まれのロシア系の四姉妹です。

四姉妹の名前を、生まれた順に紹介します。

  1. Marie Callot Gerber
    マリー・ジェルべール
    (1870年-1927年)
  2. Marthe Callot Bertrand
    マルシェ・ベルトラン
    (-1920年)
  3. Regine Callot Tennyson-Chantrelle
    レジーナ・テニソン
  4. Josephine Callot Crimont
    ジョセフィーヌ・

長女のマリー・ベルジュールが、チーフデザイナーを務めていました。

 

キャロ姉妹の略歴

アール・ヌーヴォ・スタイル07 キャロ姉妹イヴニング・ドレス キャロ姉妹 1908年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

  • イヴニング・ドレス
    キャロ姉妹

    1908年ころ
    ハイウエストのドレス
    「エンパイア風」「ディレクトール風」と言われたドレス

キャロ姉妹の略歴

  • 1870年 長女のマリー・ジェルべールが生まれる
  • 1888年 ランジェリーとレースの店を開店
  • 1895年 オート・クチュールを設立
  • 1901年 マドレーヌ・ヴィオネが働き始める
         (-1906年)
  • 1914年 マティニヨン通り9-11にメゾンを移転
  • 1920年 マルシェ・ベルトランが死去
         レジーナ・テニソンが退職(息子の世話のため)
         マリー・ジェルべールは、以後7年間ひとりで経営
  • 1927年 マリー・ジェルべールが死去
  • 1928年 マリー・ジェルべールの息子であるピエール・ジェルベールが事業を引き継ぐ
  • 1937年 マリー・ルイーズ・カルベにメゾンを売却
  • 1953年 メゾンを閉鎖

 

キャロ姉妹 マドレーヌ・ヴィオネへの影響

キャロ姉妹03イブニング・ドレス キャロ姉妹 1911年
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    キャロ姉妹
    1911年
    黒い絹シャルミューズに絹シフォン、絹レースを重ねたツーピース・ドレス

    ボディスは絹レース、チュール、絹シフォンの重ね
    両肩から後ろ裾までレースの垂れ布
    ベルト部は絹サテン
    模造ジェットの装飾

1901年にマドレーヌ・ヴィオネは、キャロ姉妹のメゾンで働き始めました。

マドレーヌ・ヴィオネは、メゾンの責任者であるマリー・ジェルべールから多くを学んだと語っています。

マリー・ジェルべールは、裁断や縫製の方法を知りませんでした。

マリー・ジェルべールは、実際のモデルにモスリンをかけて即興で服を作っていました。

これに刺激を受けたマドレーヌ・ヴィオネは、トワルを作りました。

マリー・ジェルべールが、そのトワルにドレープをつけました。

マドレーヌ・ヴィオネは、次のように語っています。

私は実務面でマリー・ジェルべールの仕事を手伝った。
彼女はクリエイティブな才能を発揮するため、実用面に手間をさこうとしなかったからだ。
私の職務は、建築で言えば現場監督のようなものだった。

「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」p90より引用
ISBN978-4-7661-2374-6

 

バイアス・カットは、キャロ姉妹の工房でドレスの小さなパーツに使われていました。

マドレーヌ・ヴィオネはこの技法(バイアス・カット)を、マリー・ジェルべールから教えられました。

 

キャロ姉妹のオリエント風のデザイン

キャロ姉妹04イブニング・ドレス キャロ姉妹 1922年夏
「FASHION A History from the 18th to the 20th Century」より

 

  • イブニング・ドレス
    キャロ姉妹
    1922年夏
    オレンジの絹チュール
    花柄と中国文字文様の刺繍

キャロ姉妹のドレスは、オリエント風のデザインが特徴でした。

キャロ姉妹は、

  • レース
  • シフォン
  • ジョーゼット
  • オーガンジー
  • クレープ

にリボンやレースや精緻な刺繍をあしらった繊細で複雑な装飾を凝らした作品で人気を博しました。

またキャロ姉妹は、

  1. 金銀のラメ使い
  2. 中間色
  3. 逆に濃密な色の組み合わせ

にセンスを発揮しました。

 

キャロ姉妹については、以下も参考にしてください。