バッスル・スタイルについて調べてみました

後ろの腰だけにふくらみが残る形に変化した、バッスル・スタイル。
このラインを支えたのが、バッスルと呼ばれる下着でした。

 

バッスル・スタイル(1870-1890年ころ)

バッスル・スタイル02バッスル、コルセット、シュミーズ、ドロワーズ 1870-80年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • バッスル、コルセット、シュミーズ、ドロワース
    バッスルは茶とベージュのストライプの綿、
    後部に13本のスティール・ワイヤーが挿入されている
    コルセットは黒の綿サテンに黄色のリボンと刺繍
    シュミーズとドロワースは白の綿

1860年代の終わり頃から、服のシルエットはスカートの前部が平らになりました。

そして後ろ腰のみに、ふくらみが残る形に変化しました。

このラインを支えたのが、バッスル(トゥールニュール)と呼ばれる下着でした。

 

バッスル(トゥールニュール)

バッスル・スタイル03バッスル 1870年代
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • バッスル
    赤と茶のストライプの綿
    スティール・ワイヤー

バッスルはさまざまな材料で作られた詰め物、 または枠状の腰当てでした。

バッスルには、

  • 襞(ひだ)づけした麻や馬毛地
  • 羽毛を詰めたクッション
  • 針金や竹製の枠や鳥かご状のもの

など、さまざまな素材や形があります。

 

ドリー・バーデン・スタイル

バッスル・スタイル04デイ・ドレス 1872年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

バッスル・スタイルでは、スカートは一般的に二枚重ねに仕立てられていました。

後ろ腰を強調するために、重ね着のスカートを後ろにたくし上げる着装も流行しました。

これは、「ドリー・バーデン・スタイル」と呼ばれました。

オーバースカートを、18世紀(ロココ・スタイル)のローブ・ア・ラ・ポロネーズ風にたくし上げます。

チャールズ・ディケンズの小説に登場する、活発な娘の名に因んだスタイルです。

特にアメリカや、イギリスで流行しました。

 

リヨン製の絹織物

バッスル・スタイル05N.ロドリゲス レセプション・ドレス 1870年代後半
「FASHION 18世紀から現代まで」より

 

  • レセプション・ドレス
    青緑と赤の薔薇の花模様を織り出した絹サテン・ブロケード
    (青緑と赤という補色を合わせた強烈な色彩は、化学染料によるもの)

    ツーピース・ドレス
    衿ぐり、前あき、袖口にレース
    袖口に絹サテンのリボン飾り
    トレーンに絹糸のフリンジ
    木ビーズ

バッスル・スタイルの明瞭なラインには、厚手で張りのある上質な絹織物が適していました。

当時、質の高さで他と一線を画していたのがリヨン製の絹織物でした。

流行のシルエットに、リヨンの絹織物がたっぷりと使われました。

 

1870年代末から80年代初めの流行

バッスル・スタイル07デイ・ドレス 1880年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

後ろ腰のふくらみは、1870年代末から80年代初めにかけて控えめになりました。

19世紀半ば以降のドレスの構造は主に、

  1. ボディス
  2. スカート

からなる、ツーピース・ドレスでした。

後ろ腰のふくらみが控えめになると、体の自然なラインを強調するワンピース型ドレスが流行しました。

このドレスは、後にイギリス王妃となるアレキサンドラ(1844-1925)が着用したので、プリンセス・ドレスと呼ばれました。

 

再びふくらみ始めた後ろ腰

バッスル・スタイル08デイ・ドレス 1885年ころ
「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」より

 

1880年代半ばから終わりにかけては、後ろ腰は再び大きく膨らみました。

大きく膨らんだ後ろ腰は、「ティーカップが乗る」と例えられたほど水平に張り出しました。

髪型は、大きく髷(まげ)を結い上げる型が流行しました。

19世紀には、被り物は身だしなみの必需品でした。

この年代は大きな髪型を隠さない、

  • 全体に小さく
  • つばが狭い

帽子が流行しました。

特に、トーク帽が流行しました。

 

バッスル・スタイル(1870-1890年ころ)の出来事

  • 1875年 ジャック・ドゥーセ、メゾン開設
  • 1878年 第3回パリ万国博覧会開催
         バイヤー(独)、人造インディゴ発明
  • 1881年 ジョン・レドファン、パリでメゾン開設
  • 1884年 シャルドンネ(仏)、人造絹糸発明
  • 1886年 美容師マルセル(仏)、パーマネント・ウェーブを考案
         ベンツ(独)、エンジン付き三輪自動車開発 特許を得る
  • 1888年 ウィリアム・モリス(英)らによって、アーツ・アンド・クラフツ展示協会創設
         ジャンヌ・ランバンが、帽子店を開業
  • 1889年 第4回パリ万国博覧会開催
         エッフェル塔完成

参考文献は、

  • 「FASHION 18世紀から現代まで」ISBN978-4-88783-282-4
  • 「文化学園服飾博物館コレクション ヨーロピアン・モード」

です。

スタイルの年代区分は、「西洋服装史Ⅱ」に準じています。

同時代のことを書いた記事に、

バッスル・スタイルについて書いた記事に、

があります。

参考にしてください。

ヨーロッパのファッション・スタイルは、以下も参考にしてください。

 

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