椅子の座り心地を追求したブルーノ・マットソン

ブルーノ・マットソンは、スウェーデンのデザイナーです。
天童木工からマットソン・シリーズが発売されていて、日本の生活に馴染み深いデザイナーです。

 

ブルーノ・マットソン

ブルーノ・マットソン02ブルーノ・マットソン
「天童木工のカタログ」より

 

ブルーノ・マットソン(Bruno Mathsson)

  • 1907年 スウェーデンのヴァルナモで生まれる(1月13日)
  • 1936年 ヨーテボリーのレースカ工芸美術館で作品を発表
  • 1937年 パリ万博にデイベットを出品しグランプリを受賞
  • 1939年 ニューヨーク、サンフランシスコの国際見本市に出品
  • 1954年 Design in Scandinavia展のディスプレーデザイン
  • 1955年 グレゴール・パーソン賞を受賞
  • 1974年 L,F,Foght賞、スカンジナビア・デザイン賞を受賞
  • 1976年 天童木工よりMAシリーズ(現Mシリーズ)発売
  • 1981年 スウェーデン政府よりプロフェッサーの称号を受ける
  • 1988年 死去(8月17日)

 

10年間の鍛錬

ブルーノ・マットソン03 エヴァエヴァ ブルーノ・マットソン 1934年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より
ISBN978-4-418-09101-0

 

  • エヴァ
    ブルーノ・マットソン
    1934年
    座りやすさを追求して生まれた優雅な形
    ビーチ(ブナ材)成形合板+麻布ベルト
    W600×D710×H820、SH340mm

ブルーノ・マットソンは1907年に、5代続く家具職人の家に生まれました。

ブルーノ・マットソンは16歳から10年間、父親の家具工場で職人として技術を修得しました。

この10年間の鍛錬が、後のブルーノ・マットソンの作品に大きな影響を与えました。

ブルーノ・マットソンは家具における、

  • 機能性
  • 造形性

の一致をもたらしました。

 

椅子の座り心地へのこだわり

ブルーノ・マットソン04 マットソンチェアマットソンチェア ブルーノ・マットソン 1941年
「美しい椅子3 世界の木製名作椅子」より
ISBN4-7779-0153

 

  • マットソンチェア
    ブルーノ・マットソン
    1941年
    背と座をキャンバスのベルトを張り、上から柔らかいクッションで覆っている
    ビーチ(ブナ材)成形合板+ファブリック
    W860×D900×H990、SH260mm

ブルーノ・マットソンは、椅子の座り心地へのこだわりがとても強いデザイナーでした。

ブルーノ・マットソンは、

「sit on」ではなく、「sit in」でなくてはならない。
椅子は快適に座れる形状をしっかりと維持し、人はそこに入り込むだけで良い座り心地が生まれる。

「天童木工のカタログ Bruno Mathsson」p3より引用

と常々話していました。

ブルーノ・マットソンの安楽性への研究は、1933年から1934年ごろに完成しました。

 

成形合板

ブルーノ・マットソン10 ペニーラ2ペニーラ ブルーノ・マットソン 1944年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • ペニーラ
    ブルーノ・マットソン
    1944年
    安楽性を追求した名作
    オットマン「ミフォート」と組み合わせるとさらに快適に過ごせる
    ビーチ(ブナ材)成形合板+麻布ベルト
    W640×D880×H1020、SH310mm

ブルーノ・マットソンは、

  • 座り心地が良い
  • エレガントで美しいカーブを作り出せる

「成形合板」という技術を自身の作品へ取り入れました。

ブルーノ・マットソンがデザインした成形合板のフレームは、ほとんど直線がないと思うくらい優美な曲線の連続で構成されています。

成形合板は、

  1. 丸太から厚さ1〜1.5mmの「単板」と呼ばれる板を、カツラ剥きの様に切り出す
  2. 単板の両面に接着剤を塗り、何枚も重ね合わせる
  3. これを型に入れて加圧成形

して作られます。

成形された木材は、型どおりの美しい曲線を持った成形合板となります。

 

ブルーノ・マットソンの海外での評価

ブルーノ・マットソン06 シェルフセットシェルフセット ブルーノ・マットソン 1950年代
「Casa BRUTAS 北欧デザインの名作と暮らす」より
ISBN978-4-8387-8936-8

 

  • シェルフセット
    ブルーノ・マットソン
    1950年代

ブルーノ・マットソンは1936年に、ヨーテボリーのレースカ工芸美術館の展示に出品しました。

その作品が多くの話題を呼び、1937年にはパリ万国博覧会でグランプリを獲得しました。

これをきっかけにブルーノ・マットソンは、

  • ニューヨーク
  • サンフランシスコ

などの国際的な展示会に出品しました。

1939年にニューヨーク博覧会にエヴァを出品したブルーノ・マットソンは、「スウェディッシュ・グレイス」と高く評価されました。

 

スチールパイプを使った椅子のデザイン

ブルーノ・マットソン07 ジェットソンジェットソン ブルーノ・マットソン 1966年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • ジェットソン
    ブルーノ・マットソン
    1966年
    ボールベアリングを入れているため脚部の回転がスムーズ
    回転と同時に微妙に前後にロッキングする特殊構造を持った脚
    W650×D830×H930、SH400mm

ブルーノ・マットソンは、1964年ころからスチールパイプを使った椅子のデザインにも積極的に取り組みました。

ブルーノ・マットソンは、多くのスチールパイプを使った椅子のロングセラーを遺しています。

またブルーノ・マットソンは、晩年はコンピューターによるデザインも採り入れました。

ブルーノ・マットソンは、時代の変化に敏感な知性を兼ね備えていました。

そして素顔のブルーノ・マットソンは、とても気さくな人物でした。

 

天童木工

ブルーノ・マットソン08 天童木工 ソファとテーブルマルガレッタ ブルーノ・マットソン 1976年
「天童木工のカタログ」より

 

  • マルガレッタ
    ブルーノ・マットソン
    1976年
    日本の住宅に合わせて、脚部が畳を傷めないように「床ずり」がデザインされている
    ホワイトビーチ成形合板+ファブリック
    W620×D750×H680、SH360mm
    天童木工

1974年に東京の六本木で、ブルーノ・マットソンの作品を集めた初めての展示館が開催されました。

ブルーノ・マットソンはこの時初めて、日本を訪れました。

ブルーノ・マットソンは、日本の生活様式に大きな関心を持っていました。

また天童木工も、北欧の家具に大きな関心がありました。

すぐに、ブルーノ・マットソンは自身のデザインを天童木工に託しました。

そして1976年に、スウェディッシュ・モダンが息づく曲線美を持ったMAシリーズ(現Mシリーズ)が発売されました。

 

まとめ

ブルーノ・マットソン09 天童木工 椅子とテーブルミラ ブルーノ・マットソン 1976年
「天童木工のカタログ」より

 

  • ミラ(M-0559WB-NT)
    ブルーノ・マットソン
    1976年
    ホワイトビーチ成形合板+天然籐カゴ目編み(ナチュラル)+ファブリック
    W452×D545×H780、SH425mm

私の家には、ブルーノ・マットソンのマルガレッタがあります。

ときどき私は、マルガレッタの曲線の美しさに見とれてしまいます。

マルガレッタは、とても軽くて丈夫です。

ブルーノ・マットソンのマルガレッタの前には、

があります。

北欧3カ国のデザイナーの作品にふれながら、私は楽しいひと時を過ごしています。