ボーエ・モーエンセン

インテリアショップで、ボーエ・モーエンセンのハイバックソファに座ったことがあります。
とても美しく、包み込まれるような座り心地でした。

 

ボーエ・モーエンセン

ボーエ・モーエンセン01 2213ソファ2213ソファでくつろぐボーエ・モーエンセン
「ELLE DECOR NO.133 2014年 8月号」より

 

  • 2213ソファ
    ボーエ・モーエンセン
    1962年
    自邸のためにデザイン
    各国のデンマーク大使館で使われたため「エンバシーソファ」と呼ばれた
    マホガニー、皮革
    W2220×D820×H800、SH420mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)

  • 1914年 デンマークのオルボーに生まれる(4月13日)
  • 1934年 木工家具マイスターの資格を得る
  • 1936年 コペンハーゲン芸術工芸学校家具科に入学
  • 1938年 王立アカデミー家具科に入学
         コーア・クリント、モーエンス・コッホ他の建築事務所に勤務
  • 1939年 コペンハーゲン家具職人ギルド展示会に出品
  • 1942年 生活協同組合(F.D.B.)の家具部門、デザイン開発責任者に就任
  • 1943年 F.D.B.からウィンザースタイルの小椅子をデザイン
  • 1944年 ハンス・ウェグナーとともにF.D.B.からロッキングチェアをデザイン
  • 1945年 家具職人ギルド展示会にハンス・ウェグナーと共同で出品
         王立芸術アカデミー家具科の教育助手を兼務(-1947年)
  • 1947年 J39をデザイン
  • 1949年 家具職人ギルド展示会に、成型合板の背面のイージーチェアを発表
  • 1950年 独立
         家具職人ギルド展示会にハンティングチェアを発表
  • 1951年 スパニッシュダイニングチェアを発表
  • 1953年 デンマーク最大の繊維会社C・オルセン社のデザインコンサルタントとなる
  • 1958年 コペンハーゲン家具職人ギルド展示会、年度賞受賞
         コペンハーゲン郊外のゲントフテに自邸竣工
  • 1962年 デンマーク工芸美術館、ガラス製品展示ケースデザイン
  • 1963年 ウィングバックチェア発表
  • 1971年 癌性脳腫瘍のため手術(11月)
  • 1972年 死去(10月5日)

 

リデザイン

ボーエ・モーエンセン02 1789スポークバックソファ1789 スポークバックソファ ボーエ・モーエンセン 1945年
「ELLE DECOR NO.133 2014年 8月号」より

 

  • 1789 スポークバックソファ
    ボーエ・モーエンセン
    1945年
    ウェグナーとの共作のデザイン
    サイドパネルが外側に倒れデイベッドになる
    ブナ+布クッション、レザークッション
    W1600〜1900×D730×H860、SH400mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセンは良質で適正価格、生活に根付いた家具をデザインしました。

古典的な家具をシンプルにリデザインし、機能性や素材感を大切にしました。

これは師であるコーア・クリントの教えに忠実で、優秀な生徒である証でした。

 

F.D.B.

ボーエ・モーエンセン03 J39チェアJ39チェア ボーエ・モーエンセン 1947年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より
ISBN978-4-418-09101-0

 

  • J39チェア
    ボーエ・モーエンセン
    1947年
    戦後間もない物資のない時代に生まれたデザイン
    オーク+ビーチ(ブナ)+ペーパーコード
    W480×D402×H760、SH445mm
    フレデリシア社

 

デンマークは、酪農を生業にしてる国でした。

そのため世界で初めての協同組合酪農場が成立し、生活全般にまで浸透していきました。

やがて協同組合F.D.B.は質の高い日用品を組合員に提供しようと、コーア・クリントに協力を要請しました。

コーア・クリントは、

  • 安価で一般市民が購入できるもの
  • 機能的で美しいもの

という大変厳しい条件を、このプロジェクトに課しました。

そしてその責任者として、教え子のボーエ・モーエンセンを選びました。

 

独立

ボーエ・モーエンセン04 2229ハンティングチェア2229 ハンティングチェア ボーエ・モーエンセン 1950年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • 2229 ハンティングチェア
    ボーエ・モーエンセン
    1950年
    革を大胆に使っている
    独立して最初の作品
    オーク+革張り
    W710×D880×H680、SH280mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセンは、1950年に独立しました。

ハンティングチェアは、ボーエ・モーエンセンが独立して最初の仕事です。

このとき出品したコペンハーゲン家具職人ギルド展示会のテーマが、「ハンティング・ロッジ」でした。

「ハンティング・ロッジ」というテーマが、ボーエ・モーエンセンに幸運をもたらしました。

 

ボーエ・モーエンセンの人柄

ボーエ・モーエンセン05 3237スパニッシュダイニングチェア3237 スパニッシュダイニングチェア ボーエ・モーエンセン 1951年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • 3237 スパニッシュダイニングチェア
    ボーエ・モーエンセン
    1951年
    主な部材をスピンドルで構成
    オーク+革張り
    W560×D520×H800、SH430mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセンの人柄を調べてみると、

  • 真面目
  • 温かな人柄
  • 話好き
  • 堅実

といったことが出てきました。

先ほど、

「ハンティング・ロッジ」というテーマが、ボーエ・モーエンセンに幸運をもたらしました。

と書きました。

ごくありきたりなテーマだったら、真面目なボーエ・モーエンセンが型から抜け出すのは難しかったかもしれません。

 

最高の実験室

ボーエ・モーエンセン06 2254ハイバックイージーチェア2254 ハイバックイージーチェア ボーエ・モーエンセン 1956年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • 2254 ハイバックイージーチェア
    ボーエ・モーエンセン
    1956年
    腰を浮かすだけで背の角度が変えられる
    枕も上下する
    オーク+布クッション
    W660×D960×H945、SH385mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセンは、自宅にプロトタイプを持ち込んでは試していました。

ボーエ・モーエンセンは、「家具は人のためのものだから、機能第一」と言っていました。

そしてボーエ・モーエンセンの自宅では、家具の配置がよく変わっていました。

ボーエ・モーエンセンは、「我が家は家具の実験室」と話していました。

 

ハンス・J・ウェグナーとの友情

ボーエ・モーエンセン07 2226スパニッシュチェア2226 スパニッシュチェア ボーエ・モーエンセン 1958年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • 2226 スパニッシュチェア
    ボーエ・モーエンセン
    1958年
    スペインの貴族が使っていた一枚革の木製椅子をリデザイン
    オーク+革張り
    W830×D620×H680、SH350mm
    フレデリシア社

ボーエ・モーエンセンとハンス・J・ウェグナーは、生涯の友として互いに刺激し合いました。

しかし、二人のデザインへのアプローチは異なりました。

ボーエ・モーエンセンは、デンマーク人の生活空間になじむ家具にこだわりました。

二人のデザイナーの結んだ稀有な友情は、ボーエ・モーエンセンが亡くなる1972年まで続きました。

 

まとめ

ボーエ・モーエンセン08 2192ハイバックソファ2192 ハイバックソファ ボーエ・モーエンセン 1971年
「別冊家庭画報 北欧インテリア」より

 

  • 2192 ハイバックソファ
    ボーエ・モーエンセン
    1971年
    モーエンセン最期のデザイン
    オーク、マホガニー、チェリー+革張り
    W1540×D890×H1060、SH420mm
    フレデリシア社

私はボーエ・モーエンセンの家具を見ると、気持ちが落ち着きます。

ボーエ・モーエンセンのデザインに、温かさを感じるからです。

人柄というのは、デザインに大きく関わってきます。

いまでは、ボーエ・モーエンセンの作品は高価になってしまいました。

良質で適正価格な製品をデザインしたボーエ・モーエンセンだけに、残念です。

 

デンマーク・デザイン展」も、参考にしてください。

 

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